そうすると「自分が共感する文章とは、自分と同じ考えのもの」だということに気づかされます。知らず知らずのうちに自分の考えに近い本が好きな本であり、同じような本ばかり読んでしまう危険性に陥ってしまいます。そのため、リアル書店では、一冊は読みたい「目的の本」。少なくとも一冊は普通だったら「手を出さないテーマの新書」を同時に買うようにしています。
さて、話は戻って共感した本から抜き出しておくと、フロッグデザイン創設者のハルトムット・エスリンガー著「デザインイノベーション」は、デザイナーにビジネス戦略から描く必要を説いている部分が非常に共感できます。そうそう、僕もここをやりたくて自分の会社を創りました。そして、自分の著書「空気読み企画術」で書いたことも共通しています。
デザインとは優れたビジネス戦略の一部であって、芸術ではない。
そうそうこれです。デザインとは見た目やカタチのことを指すわけじゃなく、サービスや体験すべてを包含する。だからこそ、企業が顧客に提供する価値を設計するのが「デザイナー」の仕事とも言えるわけです。
IDEOのティム・ブラウンの「デザイン思考が世界を変える」を読んでいても、共通の立ち位置で書かれています。企業戦略を描くデザイナーが必要になってきているのは間違いありません。
もう一つデザインイノベーションから共感した部分を書き出しておきます。
フロッグデザインの前身の企業を創設したときに設定した目標です。とても、よく理解できます。そして、とても大切なエッセンスが6つの箇条書きに濃縮されています。
1.トップを狙っている「ハングリー」なクライアントを見つける
2.ビジネス意識を持ち、自分のためではなくクライアントのためになる仕事をする
3.名を広める まがままな芸術家としてではなく、ビジョンを描ける者として
4.その名声を会社の運転資本にする
5.世界一のグローバルデザイン会社を築く
6.常に最高の人材を求める 従業員も、パートナーも、クライアントも自分も、社会に価値を提供する企業を立ち上げるときによく考えたので、この6つに収束したことがよく理解できます。株式会社空気読みも、この6月で2期目が終了・7月から3期目に入るので、この本を読みながら、いろいろ振り返り、いろいろと考えさせられます。(本を読んでいると、いろいろな有名企業との実績が鼻につくぐらい何度も強調されているので、ちょっと胡散臭い感じもしてしまうのが残念ですが。。。)
「自分が共感する文章とは、自分と同じ考えのもの」というネガティブな捉え方よりも、「必要なタイミングで、必要な本と巡り会う」というポジティブな面に重要なメッセージがありそうです。