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2010/12/10

日経MJ2010年ヒット商品番付から読み取る「ヒット商品二つの傾向」

このblogでも恒例となった日経MJのヒット商品番付が出ましたので、紹介しておきます。






2010年のヒット商品番付を見ると二つの傾向が浮かび上がってきます。
一つが「物が売れない時期にいかにして勝ってもらうのか?」
もう一つが「エンターテイメントとして受け入れられるものは何か?」です。


こういうランキングになったということは、2010年は消費者の意識が変わっているタイミングのために、深層心理で求めているものにあったものが、登場してこなかったということでしょう。「せめて買ってもらうためには・・・」と「エンターテイメント部門」のものが多くランクインしているように見えます。

個人的に総括すると「説明責任」が消費にも求められすぎた年です。

キーワード1:「消費する言い訳をあたえてくれるもの」
倹約ムードにも飽きたんだけど、一度慣れてしまうと、「消費癖」がなくなるのでお財布を緩くするのは至難の業です。だって、今の物で特に困ってないですし、新しい物を購入するがカッコイイという気分じゃもはやないのですから。そこで出てきたのが「言い訳商材群」です。

ex.スマートフォン、エコポイント、3D.LED、トップナノックス、GOPAN,オールフリー、CR−Z

別に買わなくてもいいんだけど、今の物でも満足しているんだけれど、「○○」が違うから。「環境にいいから、節約できるから」とロジカルに消費を説明できるものたちです。ここでも説明責任が求めれている気がします。

でも、きっと本当に消費者が思っているのは、「別に買わなくてもいいんだけど。。。」のほうが大きそうです。もう消費じゃない方法はないのかな?だと思います。きっと「シェア系」のものはもっとくると思いますよ。買うよりシェア。モノからコトへのお財布シフトがより進みそう。


キーワード2:「エンターテイメント部門もわかりやすい凄さ!感動。共有できるもの」
わかりやすさの池上さんにしろ、K-POPにしろ、AKBにしろ、「みんなで語れる」ということが大きいようです。少なくとも、自分だけのひそかな楽しみ系は今の気分じゃなさそうです。坂本竜馬にしろ、ゲゲゲにしろ、ポイントはわかりやすい「凄さ」が語れて、友人や知人と共有できたものが口コミで広がる。そしてソーシャルメディアなどを遠しいて会話されるってことですよね。もともとアイドル系は宴会の出し物で・・・、カラオケで・・・とみんなでネタを共有化できるからこそ、楽しめたものですからね。社会が難しくなったし、それぞれの働く境遇も変わってきたし、共通の話題がどんどんなくなるなか、わかりやすい凄さのものにはマスが殺到した感じです。

ex.サンデル教授、ドラッカー、本田圭佑、ゲゲゲ、K−POP、AKB、坂本竜馬、東京スカイツリー、ワンピース

今回は、ランキングに入ってませんでしたが、「事業仕分け」や「海老蔵謝罪会見」にしても、俺たちにもわかりやすくしろよ!って熱が高まっている気がします。隠そうとしてしていることに対して、「わかりやすく、本質部分を提示してよ。説明責任があるでしょ!」とみんなが言っているようです。なんかそろそろ、この「説明責任」部分も折り返し地点が来そうな気がしています。徐々に「直感で」「なんとなくこれがいい!」
的なものに心がひかれはじめてくると思います。



2010年日経MJヒット商品番付
【東】
横綱:スマートフォン
iPhoneやアンドロイド携帯が人気で10年度の販売台数は前年比でほぼ倍増

大関:エコポイント
薄型テレビの年間販売は前年比8割増。エアコンと冷蔵庫も好調だった。住宅版も話題に

関脇:猛暑特需
ロッテアイス「ザクリッチ」やユニクロ「サラファイン」などアイス・冷菓や機能性肌着などが爆発的に売れた

小結:200円台牛丼
大手3社が相次ぎ牛丼類を200円台に値下げしたり、同水準の新商品を発売したりした。デフレの象徴に

前頭:ドラッカー
「もしドラ」の発行部数が170万部を突破。本家のドラッカー氏の著書も押し上げた

同:銀座
松坂屋にフォーエバー21、ラオックスが出店。三越も1.5倍に増床し、街を訪れる人が増えた

同:食べるラー油
エスビー食品「ぶっかけ!おかずラー油チョイ辛」などメーカーや小売り各社が相次ぎ発売

同:本田圭佑
6月のサッカーワールドカップで日本はベスト16入り。本田選手の無回転シュートが話題に

同:これからの「正義」の話をしよう(早川書房)
マイケル・サンデル氏の書籍は60万部を超えた。関連本や電子書籍のダウンロード件数も伸びている

同:ゲゲゲ
NHKドラマ「ゲゲゲの女房」が高視聴率を記録。鳥取県の水木しげるロードに観光客が殺到

同:α NEX-5/NEX-5
レンズ交換式デジカメ。一眼タイプで高画質だがコンパクトカメラ並の小ささで、女性も支持

同:電子タバコ
10月のたばこ値上げで禁煙を決断する人が増加。コンビニなどでは一時品切れになるほど人気に

同:iPad
9.7型の大型液晶を使った多機能携帯端末。操作が簡単で子供や高齢者がパソコン代わりに利用

同:AKB48
ファンを巻き込む「総選挙」や握手会などの仕掛けも奏功しブレイク。18枚目新曲は初のミリオン

同:お料理簡単グッズ
小林製薬の「チンしてこんがり魚焼きパック」など電子レンジで手軽に料理ができる商品が人気

同:池上彰
わかりやすく親しめるニュース解説がテレビで引っ張りだこ。著書もヒットし、出版界の救世主に
同:ビッグアメリカシリーズ(日本マクドナルド)
価格もボリュームもビッグなバーガー。第一弾のテキサスバーガーは発売4日間で当初計画比約2倍の販売

同:ファー小物
ふわふわ毛皮を使ったアクセサリーやマフラー、耳当てなどが女性の人気アイテムに

【西】
横綱:羽田空港
10月に32年ぶりに国際定期便が復活。国土交通省によると、経済効果は約1兆円。格安航空など空の話題が尽きない1年に

大関:3D
パナソニックなど大手家電メーカーが相次ぎ対応テレビを投入し話題に。映画興行も好調

関脇:LED電球
電球全体に占める販売額シェアが過半を突破。エコポイントの交換商品としても人気を集める

小結:坂本竜馬
福山雅治さん主演のNHK大河ドラマを機に人気が沸騰。長崎県や高知県の旅行者が増えた

前頭:トップナノックス(ライオン)
従来の液体洗剤の二分の一の量で汚れを分解して落とす。すすぎが1回で住み節水や節電にも貢献

同:東京スカイツリー
東京・墨田の自立式電波塔、12月に500メートルを突破し、周辺は建設風景を見る観光客でにぎわう

同:ONE PIECE(ワンピース)(集英社)
最新巻の60巻の初版発行部数は340万部と史上最多を記録。単行本累計発行部数は2億部超

同:K−POP
韓国の女性グループ「KARA}や「少女時代」がブレイク。高い実力で女性ファンを獲得

同:低価格均一居酒屋
ワタミなどが相次ぎ開業。280円均一店の鳥貴族の09年度の売上高は二年前の約二倍に

同:オールフリー(サントリー)
アルコール度数だけでなく、カロリーや糖類をゼロにした。年間販売目標を当初の2倍の200万ケースに

同:専科(資生堂)
大手企業では珍しい1000円未満の基礎化粧品。発売から累計出荷本数が250万本を突破、台湾でも販売

同:B級グルメ
9月に開催した「B−1グランプリ」は43万5000人が来場。メーカーとのコラボ商品も続出

同:クーポン共同購入サービス
制限時間内に申込者が集まれば商品を安く買えるサービス。高い割引率が支持されサイトが乱立

同:CR-Z(ホンダ)
販売台数は2万台を突破。ハイブリッド車ながらデザインに優れ、スポーツ型では割安なのが人気

同:ポケットドルツ(パナソニック)
若い女性の電動歯ブラシという新市場を買いたく。今春の発売から約半年で100万台を販売

同:山ガール
「山スカート」に代表されるおしゃれな専用ファッションを楽しむ女性の山登りがブームに

同:ミルミル(ヤクルト本社)
整腸作用があるとされるビフィズス菌を1本あたり100億個含むという。5年ぶりに発売

同:スターバックス ヴィア(スターバックス、AGF)
お湯を注ぐだけで店頭に近い味が楽しめると人気。売上は当初想定の2倍のペースで推移


殊勲賞 はやぶさ せんとくん
技能賞 GOPAN 時短家電
話題賞 中国人観光客 上海万博
残念賞 横浜ベイスターズ HMV渋谷




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