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2012/03/13

なぜ会社組織は個人化していき、仕事はプロジェクト化していくのか?



私自身が、一人株式会社という「個人化した会社」形態で働いているので、会社組織の個人化の流れについて書くとポジショントークのように映るかもしれません。


しかし、それでも今の日本という環境では、大会社組織が時代に合わなくなってきているのでは?ということについて書かないわけにはいきません。


考えていることは、どの組織形態にもメリット・デメリットがあり、置かれている環境によって、最適なものを選んでいけばいいということです。題名にも書いたように、会社組織は個人化していき、仕事はプロジェクト化していくと考えています。


■大企業・会社組織の得意な環境


・環境:「こうすればうまくいく」という方程式が明確で、そのルールを活用できる期間が長く続く
・手法:方程式に則ったマニュアルを、社員に教育し、拡大・横展開。方程式が明確だからこそ、資金を集められる大資本が勝てる
・金融機関/投資家:方程式と手法が明確なので、説明し、拡大のために必要な資金を集めることができる
・人材:方程式を理解し、決められたことをキチンとこなす社員。うまくいく方法を誰でも利用できるようにマニュアル化する社員


■個人・プロジェクト型組織の得意な環境


・環境:「こうすればうまくいく」という方程式は不明確で、かつ使えるのは短期間
・手法:状況や環境に合わせて、最適と思えるビジネスモデルを作り、一定期間で撤退。資金がなくても、個人が持っている信頼や知名度を担保に差別化の要素を作る
・金融機関/投資家:方程式が不明確のため、金融機関や投資家に頼らない。自分たち個人が蓄積した信頼を元に、チームを組み活動
・人材:置かれている環境と、持っているリソースを組み合わせて、最適解を見つけ、自分たちで動く人材。自分の得意分野や能力を活かして協力できる人材


大会社組織という拡大再生産でまだまだ行ける産業構造が、日本では少なくなってしまいました。そのため、大会社組織が得意な部分を活かせることが少なくなったのです。この環境変化はより加速するように思えます。


ビジネスモデルの賞味期限が短命化すればするほど、組織ではなく、強い意志を持った個人が判断しなければならない場面が多くなるからです。徐々に大会社という組織よりも個人が重要になっていき、プロジェクト型組織に変化していく方向は間違いないでしょう。


■大企業も個人も過渡期には弱い部分を補完して適応


いままでは弱者だった個人・プロジェクト型組織が“相対的に”魅力に写り、注目が集まってきています。しかし、個人ではまだまだ大会社組織に比べて「信用」が低いのが現状。そのために、信用を上げることにつながる出版やblog、自分を担保してくれる人々による紹介が不可欠です。


まだまだ過渡期である現在では、個人・プロジェクト型組織が弱い「信用」部分を担保する活動を続けることで、弱みを補強してやっている段階です。


僕自身、この働き方で企業と組んで仕事をしています。その場合でも、大企業の組織はすでに「プロジェクト型」の仕事スタイルです。


チームメンバーそれぞれが何らかのプロフェッショナルであり、企業の中の人も、僕のように外部からプロジェクトに参加している人たちもいる状態です。


大企業組織も「プロジェクト型」の仕事を外部の人間と一緒にやり始めることで、この環境に最適化しようとしているのです。


まとめると、この過渡期において、大企業組織はプロジェクト型の働き方を取り入れて適応しようとし、個人は信用部分を担保する活動を組み合わせながら時代に適応しようとしています。



■残された課題・・・
「会社が個人化し、仕事はプロジェクト化する」が加速すると切実な問題が出てきます。「雇用」と「人材育成」の問題です。


このことに関して、僕はまだまだ考え切れていません。誰が雇用をするのか? 誰が人材を育成するのか? そのためには大家族制や、個人企業に近いファミリー企業が多く生まれてくるのか? 大会社でも意志決定が明確なオーナー企業が担っていくのか? しばらく考えてみる必要があると思っています。


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