コミュニケーション力が重要なスキルとしてとり上がられるようになって、ずいぶん経ちます。
コミュニケーション能力の面白いところは、勉強ができるようなアカデミックスマート側の人間よりも、ストリートスマートと言われるようなたたき上げの人間のほうが、得意なスキルだということ。
もちろん、プレゼンテーションスキルや説明能力という意味では、学校教育で修得することが役に立つ分野ですが、面白いのが“愛嬌”だったり“可愛がられる能力”などは、学校教育というよりも商売人の家で育ったり、大人の中で小さい頃から注目を集める必要がある環境(世間的にはあまり羨ましがられない環境)の人のほうが高くなるということです。
愛嬌とか言ってしまうと、再現性が不可能な天性のもののように取られてしまいますが、そうではありません。“絡む力・絡まれる力”と言い換えたほうが、スキルとして認識してもらいやすいかもしれません。
学校教育の世界では「突っ込まれずに、全員の承認を得ること」が重視されるのに対して、コミュニケーションが産まれるためには、「他人との接触面を増やすための違和感」が必要になります。これが、学校教育で教わるような突っ込まれず、無難にこなす方向とは逆の「絡まれる力」です。
また、見ず知らずの人と接触をはかるための「絡み力」も同じです。見ず知らずの人に話しかけるには、隙を見つけて、気持よく心を開いてもらうための きっかけづくりが必要です。その人が本当は誰かに話したいポイントを見出すことから始まります。
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この「絡む力・絡まれ力」は仕事だけで役立つものではありません。むしろ、人生を愉しむためには仕事のスキルよりも、この絡む力・絡まれる力のほうが効いてきます。
例えば、同じ場所に旅行しても、人によって体験すること見られるものには差が出ます。その差がどこから生まれるのかというと、結局この「絡む力・絡まれる力」です。
普通に知らない商店街を歩いていて、店主に絡んでもらったおかげで、知らない知識が得られる。地元の人がよく利用する穴場の美味しいお店を教えてもらえる。 飛行機の隣の席になった人と話したことで、永く交流が続く友達ができたり。。。
結局、人生の愉しみって「人との交流」が醍醐味だったりするわけですから。
もちろん、「絡まれる力」によって、危ない人や事件に巻き込まれたら問題ですが、そういう時こそ「絡む力」の目利き力を活かして早めに距離を取るようにしましょうねw
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