「正直は最大の戦略である。」社会学者の山岸俊男さんの言葉です。
なにより、実験に基づいて出てきている言葉だから力強い。
実験によって、お互いが正直に振舞うことが、もっとも利益を得る戦略だったという結果を指して言った言葉です。
逆に「人は利己的な存在だけど、しかし人々がみな、自分だけの利益だけを考えて行動をすると、社会的に望ましくない状態になる」。これを社会的ジレンマと言うようです。
一時期、書店に並ぶ本も「交渉術」だったり、いかに人に出し抜かれないか? 自分が損をせずに、自分の要望やメリットを通すかに力点が置かれていました。
なんだか、お互いが出し抜かれないように、そのために努力することに違和感がありました。不信感のインフレ?みたいな感じです。
しかし、今まったく逆のトレンドになっていると感じます。
そのもっとも象徴的な例が「日本」でしょう。
外交上の駆け引きや、自分の意見を通すことがうまくできない日本。リーダーシップがはっきできずに、いつもODAとか他国の援助ばっかりして。日本は世界中で舐められている…。といったことが言われていたように思います。
先日の震災でよくわかったことは、そんな不器用で愚直で、駆け引きが苦手な日本が、世界中の人たちから愛されていたんだなぁということ。
世界中から義援金が集まり、「あのときに支援してもらったら…」と感謝され、本当に心配されていることを目にして、ああ、やはり「正直は最大の戦略」ってホントだなぁと改めて感じました。
これって、ソーシャルメディアがプラットフォームになり
可視化される時代の生き方にも当てはまると思います。
基本的には、相手はいい人だと思ってオープンに付き合ってみる。
知り合いの知り合いだったら、その人を信じてオープンに付き合ってみる。
もし、悪い人だったら結果人がその人の周りから離れていくから淘汰されるはず。
逆に、自分も正直にオープンに生きることが求められます。
まあでも、日本の例にもあったように、完璧な人であろうとするよりも、ちょっとぐらい弱くて不器用なところがあったほうがオープンで自分を偽らずいいですよね。
そういう意味では、いい時代じゃないですか!
「正直は最大の戦略である」
大好きな言葉です。
関連リンク
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