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2011/12/31

2011年を振り返って。


2011年は、本当に密度が濃く、いろいろ考えることが多かった一年でした。
いままでおぼろげに感じていたけど、うやむやにしてきたことに対して、目を背けずに真っ向から対応することが求められた年でした。

地元が宮城県ということもあり、当事者としていろいろと対応もしながら、生き方の優先順位を再度見直すことができました。だから、震災は悪いことばかりじゃないですよね。僕は「転んでもただでは起きない」という言葉を信じています。

自分の信じる「楽しくたって仕事はできる」という仕事のやり方、雇わない雇われない「一人株式会社」という働き方。

金銭などの有形資産に重きをおく価値観から、信頼などの無形資産に価値観を置く古くて新しい経済社会。

blogや書籍などを通しての信頼の蓄積と、コミュニティの複数化、経済基盤の分散化を進め、次の社会に求められるライフスタイルの雛形を自分が実験台となって作っていくことに注力してきました。

もちろん、まだまだ途中ですが、来年も引き続き前に進んで行きます。急ぎすぎず、自分のペースで、飄々と続けていくつもりです。


一年で書籍二冊を出版することができました、二冊とも多くの人のご協力の上で実現できました。

よくある感謝の言葉ではなく、文字通り、不思議とチャンスが人に乗ってやってきて、掴んで動き出してみると、また次の人が答えを持ってあらわれるという感じでした。
そういう意味では6月の前に進む力。12月の顧客に愛される会社のソーシャル戦略の著者は、僕ではなくみなさんなんだと思っています。

本日、12月31日でどうやら37歳になったようですが、相変わらず年齢なんてどうだっていいと思っています。

来年も、いったい何が起こるのかわくわくしていますし、年連を重ねるにしたがって起こることが予想できてしまう人生を求めていません。
「前に進む力」にあった「人生は何があるかわからないから面白い」という言葉通りの気持ちです。

最後にBlogを読んでくさった皆様。本当に今年一年ありがとうございました。
皆さんからの反応をいただきながら、自分の思考をまとめていくのが本当に大好きです。
来年も頑張りますので、今後もご購読よろしくお願いします。




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2011/12/27

「顧客に愛される会社のソーシャル戦略」本日発売。テーマがバラバラの三冊を出版して見えてきた自分のテーマ

やっと三作目の本が無事出版できました。新大阪の駅の書店でさっそく買っていただいた方や、ネットで注文していただいた方からの報告をいただき、本当に感謝しています。


この年末押し迫った時期に、申し訳ございません。。。


出版にあわせて本日、TechWaveに寄稿をしました。書籍の付録に付いている座談会PDFもダウンロードできますので、ぜひTechWaveの記事も読んでみてください。本田さんからの一言紹介もうれしかったです!














書籍を三冊書いてみたことで、自分の著作の背景にある一本の線が、おぼろげながら見えてきた気がします。


■1冊目:「空気読み企画術」日本実業出版


「よい企画がよりよい社会を作る」というメッセージで、調査で見えてくる顕在ニーズではなく、商品が出されたら欲しくてたまらなくなるような潜在ニーズを掴んで企画する方法を書きました。


■2冊目:「前に進む力」ディスカヴァー・トゥエンティワン


「人生は設計できないから面白い」「完璧じゃなくてもいいから、前進しよう」というダグラスさんのメッセージや、人生をポジティブに生きる方法を伝えたかった本です。真摯に生きることで、周囲の人を幸せにし、仕事仲間をファミリーと思える僕にとっての目標のライフスタイルです。


■3冊目:「顧客に愛される会社のソーシャル戦略」技術評論社


ソーシャルメディアの本ですが、真摯に愚直に顧客に向きあう会社や社員が報われる時代が来たということをメッセージしたかった本です。組織のほうや上司を見て仕事をするのではなく、顧客のほうを向いて真摯に仕事する会社が増えれば、中で働いている人ももっと仕事が楽しくなるはずなのに!という想いを込めて書きました。


三冊ともテーマも書店で並ぶ棚もバラバラです。そのため、僕は一つのテーマで執筆している著者と違って、毎回いろいろなテーマで書いている印象だと思います。


しかし、どれもそのタイミングで僕がメッセージしたいことであり根底には一つの共通した流れがあります。僕は仕事も人生ももっと愉しんでいいもので、そうなることがより素敵な社会になる方法だ!ということです。そして、そのために自分ができることをコツコツと提示していこうと思っているようです。


派手じゃなくていいから、真摯に愚直に。
震災があったこの年、僕の中で大きくなった言葉は「真摯に愚直に」でした。
新作にもこの「真摯に愚直に」が貫かれています。


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2011/12/21

個人にとっても、企業にとっても「コミュニティ」がより重要に





月曜日は出版社ディスカヴァー・トゥエンティワンのパーティ、火曜日はTechwaveのパーティと続きました。どちらも、組織に関係する人々が集まり交流する素晴らしい会でした。


ディスカヴァー・トゥエンティワン・クリスマスパーティには、書店の方々、著者、そしてなんと読者代表まで集まって懇親会が行われ、企業を取り巻く人全プレーヤーが集まった形になっていました。感謝の気持ちとしての「おもてなし」、社員の方々の心遣い、参加する人たちが楽しめる出し物まで徹底されていました。


もう片方のTechWave大忘年会も、執筆している人、取り上げられている人、読んでいる人が集まった形でした。同じ興味や趣旨のもとに集まっているため、ネットワーキングも自然と行われる場でした。スタートは上記写真のように加藤順彦さんによる熱い「アジアのウミガメになれ!」のスピーチで、会場の熱を一気に上げていました。(漫才師もいまどき着ないピンクのスーツでしたが、スピーチの内容はさすが!)


どちらも素晴らしい「場」で感心していたのですが、背景には共通項があることに気がつきました。二社ともコミュニティを意識しているということです。


ディスカヴァー・トゥエンティワンでは「ブッククラブ」という本が好きな人たちが集う会員組織を持っています。著者が来て、読者に講演し交流するというリアルな場を積極的に運営しています。干場社長がスピーチで、オフィスが引っ越しにあわせて、リアルの場を開設されるような話をなさっていました。


一方のTechWaveも「TechWave塾」という場で、講師と塾生が交流する場を運営しています。塾生それぞれが専門分野をもっている人が多いため、最近は塾生自体が講師として発表する勉強会も活発に行われています。同じくTechWaveも来年にはリアルな溜り場の開設を検討しているとかしてないとか…。


この二つの組織だけを見て、「コミュニティ」がより重要になっていくとういのは、無理やり感があるのは重々承知です。しかし、両者とも内に閉じない組織のあり方を志向していて、出入り自由な宗教のような、気持ちのいい同志感が気持ちよかったのです。今後の組織のあり方ってこっちじゃないかなぁという気がしました。まだ、なんとも言語化できていないのですが。


コミュニティは企業にとっては、より自社のファンの顔も見え、内部で働いている人も仕事の喜びを感じやすいというメリットがあります。顧客、関係会社が一緒に協力してくれる外部ブレーンになってくれます。コミュニティが強固になればなるほど、自分たちの安定した基盤になっていきます。


一方で、個人にとっても「コミュニティ」は大きなメリットになります。


「個の時代」になるといわれていますが、僕は「個が複数のコミュニティに属すことで、より大きな力を発揮できるようになる時代」だと思っています。もちろん、企業というひとつの組織だけに属していた時代に比べれば、個の時代です。しかし、個だけで何かやろうと思って成功するのは、相当タフな精神力と能力が求められます。


同じ目的や使命を持ったコミュニティに所属することで、知の共有もモチベーションの継続も行えます。個が複数のコミュニティに所属することで、「これとこれをあわせたらもっと面白いことができるのに!」という化学反応が起きるようになってきます。別に企業に所属していても、他のコミュニティに所属することでリスク分散にもなります。


資本主義の次、信頼ベースの資本主義に移行していく中で、コミュニティはますます注目されていくと思っています。本当にすばらしいパーティに二つ連続でご招待いただいたおかげで多くの発見がありました。ありがとうございます。


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2011/12/16

世界同時「お金じゃない動機で仕事をする」ブーム?

グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶが話題ですね。今日もとあるミーティングで話題にのぼりました。今、マーケティングをまじめに考えている人は避けては通れない材料だと思います。


さて、今日のほぼ日に、この本の著者のお一人であるデイビッドさんのコメントが、すごくズシンと来ました。世界同時「お金じゃない動機で仕事をする」ブームですね。
一部を引用します。全文はこちらで。


私は音楽ビジネスで起きていることを追い続け、
独立後の自分の仕事を組み立てながら、共通点を見いだしてきました。
私の「ツアー」は、講演活動です。
この4年は、平均すると年50回のライブ(講演)をしてきました。
今年はオーストラリア、スペイン、スウェーデン、オランダなど
各国に講演にでかけました。
いまも、バーレーンへ向かう道中でこれを書いています。
私の「アルバム」は書籍です。この10年で7冊出版し、
先日あらためて、電子書籍だけの新刊も発売しました。
『ソーシャルメディアの新しいルール
 (New Rules of Social Media)』シリーズのプロデュースもしていて、
こちらでは他の著者のものを5冊出しています。
まあ、私の講演は昼間ですし、会場は明るいですし、
観客はくそまじめで飲んでる人なんてほとんどいないんですが、
それでも私の仕事は音楽の世界と驚くほど似ているのです。
私はグレイトフル・デッドと音楽ビジネスから、
どれほど多くのことを学んだかわかりません。
音楽ビジネスが私におしえてくれたことをいくつか挙げてみます。
 
【粘り】
初めのうちは、講演させてくれるなら無料でもどこへでも出て、
経験をつみ、ファンをつくります。
たとえ講演料が無料だったり、タダ同然であっても、
まず何百本かやる覚悟が必要です。
それがないなら、収入につながるほど上手になれるはずがないので、
はじめからあきらめた方がいいです。
何か技術を本格的に身につけるには1万時間必要だと言われています。
まずその1万時間をやりとげることです。
 
【動機】
お金じゃないんです。
本1冊の印税なんて1ドルか2ドルだし、
講演料も、はじめたばかりのころにはほとんどもらえない。
お金のためだったら、いまでも大企業で勤めていますよ。
 
【クリエイティビティーの発揮】
私はロックスターになりたいけれど、音楽の才能がないんです。
でも幸せなことに、毎週、数百人、時には千人の聴衆の前でステージに立ち、
クリエイティビティーを発揮できるすばらしい機会を頂いています。
麻薬みたい。いや、麻薬よりいいですね。
 
【ファンとの交流】
ライブの後は観客との時間を大切にします。
最後のお客様が帰るまで残って、名刺交換し、
一緒に写真をとり、本にサインします。
 
【コンテンツを大量に創ること】
本を出すだけではなく、
ブログ、動画、ソーシャルメディアでの交流はマストです。
無料コンテンツは有料コンテンツへとつながり、ファンの拡大は講演依頼、
特に、フィーをしっかり頂ける企業向け講演につながります。
例えば私は、今年の始め、
ビースティー・ボーイズやレディオヘッドをまねて、
「クラウドソース」の動画を制作しました。
観客が撮ってくれた私の講演の動画を集めて編集したのです。
一工夫加えて、公演中に聴衆が発信したツイートも数百入れ込みました。
この動画のおかげで、世界中から講演依頼をいただいています。
これも、元は音楽の世界のアイディアです。
動画のダイジェスト版はこちら
 
【流通】
ビジネス書を出版するには、自費出版、インディーの出版社から出す、
メジャーの出版社から出すという3通りがあります。
私は3つとも経験していますが、著書7冊のうち最近4冊は、
アメリカ最大のビジネス出版社であるワイリー社から出しています。
なぜか? お金ではありません。儲けなら自費出版のほうがいい。
メジャーを選ぶ理由はただひとつ、流通です。
数ヶ月前アムステルダムで本屋にふらっと入ったら、
私の著書の英語版、オランダ語版を両方おいていました。
これは自費出版ではまず無理でしょうね。
 
【成功の秘訣】
ひたすら働くことです。
講演依頼は迷ったら受ける。飛行機に乗ってでも行く。
狂ったようにブログを更新する。次々出版する。
メディアのインタビューを受ける。
セス・ゴーディンやトム・ピータースなどが各地で講演を続けるのはなぜか?
それが大好きだからです。
彼らが成功しているのはなぜか?
一生懸命働いているからです。
ビジネス誌で頻繁に引用され、熱心なファン向けに
ブログで新しい話題を次々提供しているのです。
──以上のように、音楽ビジネスからはたくさんのことを教わりました。
今の自分があるのは、十代の頃から音楽が大好きで、
何十年もにわたって毎月数本のライブをみてきたからこそだと思います。
本当に幸せなことです。
往年のロックスターのように、
私も今の仕事を70歳を超えてもずっと続けていきたいのです。
そうなるように、今はこのペースでがんばらないといけないと思っています。
なぜでしょう? 僕も同じくできたら一生働きたいという欲求があります。でも、自分の提供するもののクオリティが低くなれば、続けることはできないと認識してもいます


きっとこの感覚はアーティストや職人も同じなんだと思います。給料を得るための仕事ではなく働いている人は、社会に対しての信用や喜んでいる人からのフィードバックを糧に生きているんだと思います。


僕の場合には、オリジナルの「視点」や「編集」、「切り口」を提案することで、社会に影響を与えたり、問題を解決する。今スポットがあたってないけれど素晴らしい物を掘り起こす。「もうちょっとこうしたら、俄然良くなるよ!」ということを実現する。これが仕事のモチベーションなんだと思います。


本を書く、ブログを書く、講演をする。確かにこれが僕のツアーなんだと気づきました。


P.S.今夜は来日しているThe Vanguard Jazz OrchestraのBillboard Tokyoでのライブに行ってきます! そうか。僕もVJOというビッグバンド組織を元に「生き方」の本を書いたわけだから、このデイビッドさんと考え方が共通しているのも当然かもしれないですね。




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2011/12/09

一人で考える時間がないと、面白い人間にならないよ。

本日のChikirinのエントリー「もうひとつのゼロベース思考」がすごくいいなぁ。要は、この一文です。


せめて自分の業界、自分のビジネス、自分が所属する組織に関してくらいは、「自分がゼロから設計できるならこうする!」という意見を持っておいてほしいです。
ああ・・・僕が話が面白くない人に会ったときに、感じる原因ってこれだ・・・と気付きました。相手の話がもの足りなく感じる場合って、結局「この人自分の意見で話しているんじゃないんだ・・・」という場合です。


逆に言えば、一度自分で徹底的に考えていることだったり、自分が身をもって体験した話とかは、引き込まれるんですよね。


そのためにも、一人でじっくりと考える時間を持ったほうが面白い人になれると思います。僕もfacebookのタイムライン画像は以下のような画像設定にしていますが、「考える時間」って本当に大事です。






 everybody needs a place to think.
ロンドンのサウスバンクにあるベンチに貼ってあったフレーズです。提供はBBCいいですね。BBCっぽいフレーズ!


自戒もこめて、12月は忘年会などで人と絡む時間が多くなります。だからこそ、貴重な「一人で考える時間」も確保するように心がけなくちゃ。つながる時代だからこそ、孤独に考えたり、何かを産み出す時間がますます希少価値が出てきます。



そういえば、先日上げたエントリーの『嫌いな生き方をしないための「働き方」再構築』も、ずっと自分が考えてゼロから作ってきた働き方です。

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2011/12/07

嫌いな生き方をしないための「働き方」再構築

昨日のTechWaveCafeという勉強会で話をしてきたスライドを公開しておきます。




なぜ、僕が「働き方」にこだわっているのかの背景をじっくりと説明してきました。
・一人株式会社(マイクロ企業)
・案件ごとにチーム編成
・法人と個人事業
・職業定義が難しいスタイル


すべては、自分が嫌なこと、我慢できないことを避けるために、このような「働き方」を構築してきました。ご機嫌に生産的に、自分の価値を最大限貢献するためのスタイルを模索して今の「働き方」に至っています。


・前向きな人と働きたい
(後ろ向きな人を嫌々働かせるのにパワーを使いたくない)
・やり方まで決まっていることに情熱を持てない
・固定概念や既得権益者によって、進化が妨げられていることを許せない
・社会に貢献している人が報われない仕組みが嫌い
・無駄に会議などで、自分の時間を浪費することが許せない
といった我慢できないことが明確にあったからです。


そのため、自分が「知的好奇心」を大切で仕事ができ、「右肩上がりを目指さない」でも許される一人株式会社という形式をとってきています。社員がいなければ、収益を確保しなくちゃ…と無理してやりたくない仕事を取る必要がなくなります。




折しも、時代は「富の時代」(資本主義社会)から「智の時代」(評価社会)への移行が始まっています。だからこそ、自分が最先端に身を置きながら実験台として「働いて」いきたいのです。
 
富の時代の基本スタイルが「一つの会社」で「一つの職業」だったとしたら、智の時代には「複数のプロジェクト」で「複数の職業」という形ができてくるかもしれません。


なんでも一つに固執すると変化にもろくなります。国、職業、コミュニティ、収入を分散化しつつ、仕事や仲間、著作などの評価を蓄積していく。これが智の時代のノマドスタイルなんだと思っています。


タフじゃないとできない生き方だといわれるかもしれませんが、僕にとっては「嫌いなこと」や「我慢できないこと」をやっているよりは、ずっとずっと生きやすいスタイルなのです。

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2011/12/05

12月末発売「顧客に愛される会社のソーシャル戦略」の内容紹介 が昨年の自分のblogに書いてあった!

少し前に、無事に今年二冊目、自分にとって三冊目の書籍が発売できそうだということをblogに書きましたが、内容は紹介していませんでした。今日、ふと昨年の年末って、どうだったんだろうと思い、blogを見返していたら昨年の10月15日のエントリーに「顧客に愛される会社のソーシャル戦略」の趣旨が書いてありました!





この短い文章を背骨として、肉付けして一冊にするまでに、時間を必要としたんでしょうね。以下、そのエントリーを転記しておきます。



もともと商売は物々交換で始まり、その後対面で商品とお金を交換する貨幣経済に入って行きました。しかし、基本は対面での取引だったため、相手の顔もわかり、ズルをするような取引相手は、同じ地域で長期間の取引を続けることは不可能でした。

それがマスマーケットにマスプロダクトを販売する必要性がでてきたのと同時に、「プロダクト(商品)」を「チャネル(販売網)」に「ディストリビュート(配送)」して、販売するというシステムができあがりました。それと同時に最も効率的に多くの商品を同じような手法で誰でも同じ様に販売するために「小手先のマーケティング」必要となったのだと思います。

失ったものは、「直接対面して取引を行う」ために「相手の喜んだ顔が見られる」「商品に対する期待や不満が把握できる」機会。また、取引相手と知り合いになり、 自分が逆に相手の商品を購入する側に回った時にコミュニケーションができる喜び。お互いを自分の人脈に組み込んで、知り合いを紹介し合い広がっていく人脈形成のチャンス。別に安さだけ求めるのであれば、他の売り手から購入するけど、知り合いから買ったほうがうれしいよね、困ったことがあったら、お役に立てることだったら言ってね、という感覚でしょうか。

行きつけの飲食店には、この法則はまだ健在です。「安さ」よりも、相手が自分のことを知っていてくれる喜び、コミュニケーションできる楽しさが心地良さを提供していますよね。

前者は、グランズウェルでよく知られるようになったソーシャルメディアをやるときに重要視されている「傾聴」そのものですよね。

このことが、一番最初に「ソーシャルメディアによって我々が手に入れられるのは、長い回り道を経て『商売の原点』『人付合いの原点』を取り戻すことなのかもしれない。」と書いた根拠です。


CRM(カスタマー リレーションシップ マネジメント)が、江戸時代に進んだ商売方法である「三河屋の御用聞き」の現代版に過ぎなかったように。。。※前回購入したものを把握し、切れた頃にアラームを提示して、次の注文を取る。従来の注文タイミングなどの履歴でそろそろ注文を取りにいくべきかを把握して、訪問する。そして、それを家にいながら注文も配送まで行っているもらえたわけで、ECの非常に進んだ形式ですよね。


これが、私のソーシャルメディアに対する視点です。人間や動物が昔から行っている習性に逆らうことは難しく、DNAに記憶され、生き延びる過程で獲得してきたことはそう簡単には変わらない考えているからです。テクノロジーを使って、人間くさい楽しみを取り戻す!社会的な動物である人間の楽しみを追求する! 人はこれをやりたいだけなんだと思います。

自分が今一番楽しいのが出会った人と知り合いになり、お互いが手伝えそうなことを持ち寄って協力する。そして、その信頼から次の人脈形成につながっていく。ということなので。この手助けをしてくれるソーシャルメディア、使わないわけないでしょう!

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ということで、まだ発売は先ですがアマゾン楽天ブックスで予約がスタートしています。よろしくお願いします。


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2011/11/28

[書評]ジェフ・ジャービズ「パブリック」。猜疑心や駆け引きが入り乱れた時代から、正直に包み隠さずの世界へ



NHK出版の木村さんから献本していただきました。ありがとうございます。

すでに、僕らはこっち側の世界で暮らし始めているので、「パブリック」で紹介している自分を曝していく世界観には驚きはありません。しかし、ジェフ・ジェービズが書籍として、新しい社会にルールを垣間見せてくれることで、この流れが理解されるきっかけになると思います。

いくつか気になった部分を以下に引用しておきます。

■パブリックとプライベートについてのザッカーバーグの言葉
「インターネットやフェイスブック以前の世界では、誰もが無名であるがゆえに膨大なプライバシーが存在した」

「人は生産者か消費者のどちらかでしかなかった。そのふたつがはっきり分かれた社会、ある意味で自然に反する社会だった」。<パブリック>というツール、たとえばメディアは少数の手に握られていた。今ではそれがみんなの手のなかにある。「だから、問題は『完全にプライベートかどうか』じゃない。『何をシェアし、何をシェアしたくないか』だ」
たしかに、僕らは何をシェアするかによって、パブリックな顔を作っている。一方で、シェアしないことによって見せない顔も存在している。

■パブリック時代の企業のあり方
企業は、自社の価値を、所有物の値段ではなく、つながりの質で測るようになるだろう。つながりは企業秘密より大きな価値をもつようになるだろう。四半期収益よりも、つながりが企業の将来性を表すだろう(つながりが真の長期的価値を海、ライバルへの参入障壁を築くからだ)。ブランドはつながりそのものだ。


物事を公開しオープンに議論すれば、ライバルにも秘密が漏れ、良いアイデアが盗まれると恐れる企業があると聞く。自分たちの価値は製品のなかだけに存在し、隠すことに意味があると思っているなら問題だあなたの会社が顧客と協力し、彼らの欲しいものを提供する企業として知られれば、忠実な顧客が増えるだろう。もしあなたが顧客なら、コラボレーションを通じてより良い製品をつくる企業、あなたに耳を傾ける会社を選ぶのではないだろうか?
来月出版する本でも、このソーシャルメディア時代のそもそもの企業のあり方について書いています。個人以上に、企業はより透明性を求められます。もう企業が裏の顔を持つことや隠し立てをする時代に逆戻りすることは難しくなるでしょう。

■全員がパブリックになる必要はないのかもしれない
パブリックな存在になることでのみ、人はこの世界に足跡を残せる。政治思想家のハンナ・アレントは、人間はパブリックでなければ、森の中で誰にも聞こえず倒れる木と同じだ、と言う。プライベートであることで、「人生そのものよりも永遠に続く何かを手に入れる機会を奪われる・・・・・・。プライベートな人は、表に現れない。だから存在しないようなものだ」と。
自分の名前で主張していくこと、作品を出していくことで、ネガティブな面も当然あります。でも、主張したいのであれば、パブリックにならざるをえません。一方で、主張もなにも必要なく市居の人として一生を全うすることも悪いことではないと思います。

さきほどの企業のあり方と同様に、より影響力を持つものほどパブリックにオープンにならざるをえない時代になります。一方で、これから影響力を持つようになる人や企業は、オープンにしていくことで支持を得て、影響力を持つようになっていく時代です。

結果的に、「正直は最大の戦略」の世界に向かっています。猜疑心や駆け引きが入り乱れた時代から、正直に包み隠さずの世界へ。ちょっと飛躍しますが、日本の外交はそういう意味で先を行っているのかもしれません。

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2011/11/27

【近況】なんとか12月に新作出版できそうです。



やっと三冊目の書籍がほぼ終了しました。再校も戻し、後は念校を見るだけです。たぶん、表紙もこんな感じで確定です。「顧客に愛される会社のソーシャル戦略」12月中旬から下旬にかけての発売です。よろしくお願いします。

まだ、今年を振り返るのは早いですが、一年で2冊も書籍を出すことができました。ただ、自分は多作のスタイルは向かないなぁと認識しています。こだわりもそうですが、一冊にかけるパワーを考えると、同時に複数冊という器用なことはできません。

他の方がどうなのかわかりませんが、企画書から実際に書き始めると、その間に新しい発見や出会いがあり、中身が変わっていくのです。一本筋の通った核である主張は変わらないのですが。。。よく彫刻家とかがいうように、掘っているうちに形が見えてきたり、自分が本当に言いたいことがわかってくるという感覚です。そうすると、一冊にかかる時間も長くなってしまいます。

ということで、やっとBlogを書く時間も戻ってきます。僕の場合、Blogを書く時間=考える時間ですから、とても嬉しい! 2011年も残1ヶ月、忘年会と今年の仕上げを頑張ります。


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2011/11/16

Monocle編集長タイラー・ブリュレ氏講演より。「ネットがあるからこそ、実際にその場に行って人と会うこと大事」



昨日のエントリーで紹介したMonocle編集長タイラー・ブリュレ氏の講演「ポスト・ラグジュアリーの時代」の感想続きです。

いくつか個人的に刺さった部分をピックアップして紹介しておきます。

1:年間200日以上海外にいる理由

・ジャーナリストとしての自分の役割。ネットサーフィンでわかったように思っているのではなく、外に出て人と会うことで意見を形成していく。同僚なども世界へ出かけて行って、経験したことを共有していくことが大事

・実際に「その場」にいることが大事。ネットがあるからこそ、実際にその場に行って人と会うことが重要。目に見える形で、そこにいることが大切


2:日本のアピール下手・マーケティング下手な点

・海外のハイストリートに日本人建築家が設計した大使館を設置すれば、日本ブランドをアピールできる。中にいる人達は、どんな人達なんだろう?と興味を持ってもらうことができる

・311以降、日本で国際的な会議を行なっていない。ダボス会議などを招聘したらいいのに

・日本ブランドは、海外でも日本の文脈でマーケティングを行なっている。いい商品やいいサービスを持っているのだから、それを表現していく必要がある


3:メディアに関して

・monocleが創刊したときに、「物理的なものを提供する」ということに重点をおいた。物質、紙であることのフェティッシュ

・台割はAffairs/Business/Culture/Design/EditsのABCDE。読者に対してハードルの高い国際情勢から始め、徐々にデザインなどの楽しいものへ

・雑誌の価格も高く、WEBも購読しないと読めない作り+podcastで提供。リテール(リアルショップとウェブショップ)を準備し、コラボ商品を販売
※僕が感じたのは、雑誌じゃなくてMonocleというコミュニティを作っている。価格が高くても、このブランドの世界観・セレクトが好きなのでお店やコラボ商品を買って参加したくなる

・新しく始めたのがmonocle24=ラジオプログラム。ソーシャルメディアでは、多くの人が叫んでいる。小さなディナーテーブルに親しい数人と、良い料理を囲んで楽しい会話をしているようなリラックスした雰囲気をみんな欲っしている。だからこそ、ラジオというメディアを選んだ。本当のインタラクションができる贅沢な場

・国営ラジオなど、ちょっと古いけれど上品なブランディングがされている雰囲気を参考にした

メディアには「いい目利き」が必要。よい編集者がいて、ちゃんとした目を通してみないと間違ったことを信じてしまう

・マスメディア/ソーシャルメディアには、それぞれの位置づけがある。レガシーメディアの課題は、適切な編集がされていないもの、いいプロデュースがされていないものが多すぎる。ファッション業界では、いいバイヤーを探しているのと同じ。優れた編集者やジャーナリストが必要。ストーリーテーラーが必要。大きなメディアは、方向性を示す力を持っているのだから。


と、非常に考えさせられるのと、編集者出身である自分が共感できる内容でした。ネットで会議がすんでしまう時代だからこそ、現地に行くこと、人と会うことの重要性は増しています。ものすごいスピードで玉石混交な情報が溢れているから、落ち着いて温かみがあり信頼のおける情報が必要ですね。


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2011/11/15

ポスト・ラグジュアリーの時代に、スポットが当たるのは日本のスモールカンパニーの商品



昨日、アカデミーヒルズで行われたタイラー・ブリュレ氏の講演会「ポスト・ラグジュアリーの時代」へ参加してきました。(やっと書籍の完成までの一山を乗り切って、晴れ晴れした気分で参加しました。

講演の案内文に内容がまとまっているので引用します
「バブル時代」が終焉した後も2000年代初めまで、世界の高級ブランドメーカーは、日本で売上高を伸ばし続けました。しかしその後、ラグジュアリー・ビジネスは停滞しています。 タイラー・ブリュレ氏は、上記エッセイの中で、「日本は世界初のポスト・ラグジュアリー型経済、つまりゴージャスなブランドを人々が求める時代から次の経済モデルへと着実に転換した。そして、日本の消費者は“本物”を求めている」と、分析されています。 つまり、「ポスト・ラグジュアリーの時代」に突入した日本の消費者は、ブランドに惑わされることなく、自分が価値を認めた商品にはお金を出す傾向が、明らかになってきたのではないでしょうか。 そのときに、見直されたのが、日本のモノづくり、伝統の力、「日本ブランド」です。例えば、高品質な今治タオル、帆布を使ったハンドメイドバック、丹念な縫製の上質な服・・・。


講演で話に出たことは、私たちが生きている日本の消費の気分の変化でした。

<生活者側> 
・日本が最初にポストラグジュアリーの時代にやってきている
・本物志向になってきている
・多くの収入を目指すのではなく、友人家族に囲まれて、幸せな生活を志向

一方で、スモールカンパニー/スモールブランドが世界に通用する魅力的なものを作っているという視点は彼ならではの提案でした。

<スモールカンパニー>
・小さな会社がインターナショナルに戦えるものを作っている
・シンプル 細やか 効率ではないこだわり 伝統 自然素材への愛
・イギリスなどでは中小ブランドが力を持つのが難しい。しかし、日本は…

※他にもこの主題とは違うところでいろいろといいお話があったので、別エントリーにします
========================================
 以下は、あくまで講演会を聞いた上での私の考えたことです。

私も、ずっと日本が先進国の未来を走っていると考えてきました。成熟社会になると消費意欲も衰え、ゴージャスなヒエラルキー型の消費から、地に足がついたもののほうが賢く見える時代に入ってきていると思います。

・成金趣味ではなく、質実剛健な商品を選択する
・環境にやさしく、長く使えるものを選択する
・新しいものよりも、手を加えながら何年も使ってきたもののほうがかっこいい
といった傾向です。

しかし、日本の特筆すべき環境は、そのニーズを満たすスモールカンパニーが生息していることだということに気がつかされました。
・伝統の技術を用いた質実剛健の商品
・自然の素材などを用いた商品
・創り手が細やかなこだわりを持った商品
・修理やリメイクを完璧にできる職人たち

生活者側の気分の変化と、もともとこだわって物を作っていた企業群という両輪が揃っているのが日本の特筆すべき環境だということです。だからこそ、他の国がポストラグジュアリーの時代に入ってきたときには、家族経営に近いスモールカンパニーから生まれた商品が世界に進出できるチャンスがあると思います。

「本当に欲しい人だけが、買ってくれればいい」というこだわりの商品作りでも、日本だけでは成立しなかった規模が先進国のニッチターゲットが集まれば成立できるようになるでしょう。

まさに雑誌MONOCLEが、雑誌ターゲットをニッチなジェットセッター層に置き、英語読めるだろうからこだわりある媒体を作れば全世界マーケットで成立できるという発想と同じことです。

生活者が志向する「多くの収入を目指すのではなく、友人家族に囲まれて、幸せな生活」を実現するための商品を、同じ想いで(巨大化することを是とせずに)経営されているスモールカンパニーが作って成立していけるという姿は、すごくいい循環だと思います

そういえば、以前もMONOCLEを読んでこんなエントリーを書いていました。
世界的に「家業」が再ブーム?足が地に着いたビジネスがCOOL。

 



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2011/10/30

友人の初小説「就活の神さま」は、僕にとって初めての就活擬似体験だった




リクルート時代の同期常見陽平くんが、「就活の神さま」という初小説を上梓しました。いままでも人材コンサルタントして書籍を何冊も出していますが、小説で仕掛けてくるとは思いませんでした。

きっと小説を書いてみたかったから、このような作品に仕上げたわけではないでしょう。今から就活に挑む層に対して、メッセージを届けるときに、一番伝わりやすい方法として「小説」という解決策を選択したのだと思います。

小説だからこそ、就活の最初から最後までの流れが時系列で物語形式でつかめます。さらに、何をやればいいのか?どんな壁にぶつかるのか?大切にしなければならないことは何なのか?をつかむことができます。実は、読み終わったときに、「なんでいままでの就活本って、ストーリー形式のものがなかったんだろう?」と考えてしまいました。それだけ、解決策がハマっているということです。

でも、作る側からしたら、キャラクター設定やどういうストーリー展開にするのか?など、大変な苦労だったと思います。


上記のように感じた理由は、僕自身が就職活動というものをちゃんとくぐり抜けてきていないからです。僕にとっては、この「就活の神さま」を読むことで、就職活動をはじめて疑似体験できたのです。(学生時代のバイトの延長線上で就職してしまったので)

社会に出るために、就職活動があるからこそ、自分を客観視すること、自分が中心で世界が回っているわけではないということを強く意識する通過儀式という大切な役割であることをやっと今頃になって理解できました。

一方で、就職活動によって、自分で仕事を創っていくという選択肢が見えなくなってしまうのも事実だと思います。組織があって、自分が活かされるというのも疑いない事実です。しかし、古来から自分で仕事を作ってビジネスをやっているほうが、主流でした。

八百屋さんが自分が向いているものや企業分析をして仕事を始めたわけではありません。野菜を仕入れる方法と、販売する方法を見ているうちに自分もやってみようと思って始めたはずです。

ダンボールをリアカーで集めている人を見て、どうして商売として成り立つのか興味を持ってついていくことで、古紙回収の買取場所を知り、自分でも真似して始めた人もいるはずです。

今の起業とか、ベンチャーというと小難しく考えてしまうでしょうが、古くからある商売を考えてみると、興味や自分のツテを作りながら商売を創りだすノウハウが理解しやすくなると思います。やっぱり、就職活動だけじゃない「創職の選択肢」もぜひ学生に見せてあげてほしいと思います。

僕が創職側に知識が片寄っていたように、両方の振る舞いの違いや選択肢を知った上で、就職できたら、その後の人生の見え方も変わってくるかもしれません。

ついつい、いい本だったので、本のレビューだけではなく、さらなる要望を書いてしまいました。そして、僕にとっての足りない経験を少しでも補うことができました。いい本をありがとう!!

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2011/10/26

起業家やイノベーターは政府がお金をかけても作れない

起業とか創業ということが国や政府、地方自治体が旗を振ってやっている事業がいろいろあります。「創業支援・ベンチャー支援」と銘打った融資や税制優遇などです。

しかし、多くの起業家やイノベーターは、現状の体制に反抗しているから、社会の歪みや課題を解決したいから、立ち上がっています。優遇制度があるから、なんて理由じゃイノベーションは起こりません。

僕もそうですが、一人株式会社というコンセプトもお上に対する反抗です。大きな会社を作らなくても、社会に影響を与えることができるということが僕の喜びです。法人格をもって、案件ごとにチームを組んで戦いにいくという新しいワークスタイルを提示しています。

実は、スティーブ・ジョブズ(もちろん僕のヒーローです)が亡くなったときに、マスメディアまでもが彼を賞賛しているニュースを見て、カウンターカルチャーの旗手だった彼の功績がメインカルチャーに乗り込まれて、その文脈で語られちゃうのではないかということを危惧して、悶々としていました。


しかし、以下のようにTwitterでやり取りしている間に、ちゃんと見ている人は、カウンターカルチャーのヒーローとして、人間らしさを取り戻すために、テクノロジーを使って戦った人だとちゃんと認識しているんだと思ってすっきりしました。




ジョブズが死んでから、ジャズとかビートニクとかから始まった20世紀後半のアメリカをひたすら懐かしんでる。Fri Oct 14 02:54:38 via web



わかります。僕もカウンターカルチャーについて考えてます。RT @oritashinya: ジョブズが死んでから、ジャズとかビートニクとかから始まった20世紀後半のアメリカをひたすら懐かしんでる。Fri Oct 14 03:00:21 via Echofon



@atobeck やっぱり「一つの時代が終わった」みたいなのは感じちゃいます。脱工業や国家に対する反抗はコミューン、アーツ&クラフツ、ボヘミアン、ビートニク、パンク、ストリートカルチャーって工業化と並行してずっとあるのかもって思ってきました。(つづく)Fri Oct 14 03:31:09 via ついっぷる for iPhone



@atobeck 文字や活版技術とか考えると、情報技術も人類の歴史と同じぐらい前から続いてるんだということも。今、間違いなく一つの転機なので、技術の波(TechWaveですねw)に惑わされないことも重要と思ってきました。Fri Oct 14 03:31:57 via ついっぷる for iPhone



@oritashinya そうなんですよ。人間らしさを取り戻す戦いは続きます。脱工業化はまだ道半ばです。常に、前進させてきたのはカウンターカルチャー側だと信じてます!Fri Oct 14 03:46:38 via Echofon



@atobeck ですよね。ジョブズもディランやジョンレノン、ヒッピーカルチャーなどから得たビジョンは大切にしてたと思います。「工業化で失ったものを取り戻す」って言葉(湯川さんが言ってました)を大切にしたいですね。Fri Oct 14 03:55:15 via Twitter for iPad


一つの時代が終わったことは確かですが、このカウンターカルチャーの流れを止めちゃいけないという使命感も感じました。

最初のテーマに戻りますが、社会を変えるような起業家やイノベーターは、常にカウンターカルチャー側の人間だと信じています。国が旗を振ってシリコンバレーができるわけでも、スーパーハッカーが生まれるわけでもないのです。

エスタブリッシュメントな社会から低く評価されている異端児が、反発心で社会を変えるようなことを起こすのです。

だから、国や政府は起業家やイノベーターを作りだそうと無駄な努力をする必要はありません。下手に「創業支援・ベンチャー支援」をやらないほうが、起業家やイノベーターは生まれてくるものなのです。

唯一、国や政府にやってほしいことは、既得権益を守るために新興勢力を潰さないことだけです。

お金が儲かるから挑戦するわけじゃない。問題意識や社会を変えたいと思うから、反骨精神で戦いを挑む。このことを理解してもらえれば。。。そして、僕らはこの系譜のヒーローを意識して生きていることを。


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2011/10/24

「前に進む力」トークショー無事終了しました。ありがとうございました。

昨日、緊急開催したトークショーが無事に終了しました。告知が緊急で集客は大丈夫だろうか?書籍の販売やCDの販売状況?来ていただく方々の期待と、内容にギャップがあるかも?といろいろ心配していましたが、やっぱり始まってみるとなんとかなるもんです。

特に、昨年書籍が生まれるきっかけになったトークショーは、国際フォーラムで多くの観客の前で、かなりフォーマルな感じで実施したので、ダグラスの人柄やメッセージを伝えることができたものの、一人の人間としてのチャーミングな存在感は伝えられなかったと思います。

今回は、OnEdrop Cafe小松さんのご協力で、カジュアルにダグラスの肩の力が抜けて、冗談をいいながらも仲良く本を作ってきたチームの空気感が伝えることができました。

本当にご協力いただいた方々に感謝です!

眉間にシワをよせてやらなくても、個人個人が自分の力を発揮して、かつ縦割りじゃなく相手を気遣い、尊敬し合いながら、気持よくいいものを生み出すことができるというヒントになれば、話した側としてすごくうれしいです。

打ち合わせをしていると、いつも世間話や冗談を言っている時間が結局長くなるのですが、そうやって共有している時間があることもこのチームの強さだなぁ、と思っています。

宮嶋みぎわさんの感想コメントも御覧ください。
さらに、Stopmotion.jpの大野さんがUST中継&アーカイブもしていただきました。
この映像、1時間30分から始まる演奏だけても見てください。


Video streaming by Ustream

あ、最後に、この「前に進む力」の書籍を読んでいただいたTechWaveの副編集長増田さんが、世界で戦えるスタートアップ育成プログラム「TechWave VANGUARD」の募集が今日から開始されました。もちろん、名前はVanguard Jazz Orchestraからの命名です。

ダグラスから、VJOからもらったメッセージによって、今度は僕らがアメリカにも影響を与えるようなサービスでお返ししたいですよね。支援プログラムのため、かなり金額ハードルが低いのが特徴です。もし、興味があるスタートアップの方々はぜひ応募してくみてください。





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2011/10/17

「過剰な消費をしなくてすむために、過剰な労働を辞める!」ってどうだろう?

※写真は、フィリピンマニラの新興エリアのスーパーマーケット。働いてお金を得た中流層がジャンクフードに走って、ぶくぶく太っていく。。。カゴの中は全部ジャンクフード。これでいいのだろうか?


窮屈な組織で働いて、ストレスが溜まるから、飲む買うと消費に走るのか? それとも、過剰に消費する生活レベルを続けるために、過剰な労働を続けざるを得ないのか?

そこに疑問をいただいたら、新自由主義経済の社会では生きていけないと言われそうですが、周囲の人を見ていてもこのループにはまっている人が多いように感じます。
どこかでループを断ち切ることができたら、もっと自由に生きられると思うのですが、「適度な労働」を自らコントロールする権限を多くの企業で働く人々は持っていません。

僕が個人的に感じているのは、このループを断ち切るためには、自分が納得した目的に自分のリソースを使うことから始めるしかないんだと思います。そんなことできないと思うかもしれませんが、負のループを断ち切るためには、飛び込むしかありません。

自分が納得していることに取り組んでいると、ポジティブな生産ができ、心が満たされるので、ストレスを解消するための過剰な消費も、見栄を張るための過剰な消費もする必要がなくなるからです。勝手に「足るを知る」状態になってくるからです。

そして、その生産によって得られた報酬と、過剰な消費を辞めたことでできた余剰資金によって、さらに自分が挑戦したいことや、自分の可能性に投資することができるようになります


別に縮小均衡で、身の丈の生活をして、我慢して生きていけばいいとは考えていません。


逆で、ストレス解消や無駄な見栄や生活を維持するための過剰な労働を辞めることで、より満足度の高い生き方ができ、未来に対しての投資ができるようになると考えているからです。どんどん、自分の未来を自分で企んでいっている楽しさに変わっていきます。

※もちろん「過剰な消費、過剰な労働」に陥っている人は、ということです。別に、企業という組織で働いていようがうまくバランスとってやっている人を対象にしていません。あくまで、負のループに陥っている人は…というメッセージです


とはいえ「過剰な消費と過剰な労働のループ」を断ち切るには、かなりの勇気が必要です。過剰だと思っていなくても、安定的なサラリーマン生活をすべておしまいにして、自己責任で自分でコントロールしていくのは、誰でもドキドキするどころか、死ぬんじゃないだろか?と身の危険すら感じると思います。

でも、経験者として語ると、意外となんとかなるもんです。もちろん、自分の納得していることをやれば、楽になるわけではないです。それなりに大変なことはたくさんあります。サボることはできないですし、自己規律がものすごく必要になります。でも、心がやさぐれることが格段に減ります
結局、安定した収入を取るのか、自分の気持ちや状態に満足できる生活を取るか、です。
今、こだわって自分を苦しめているものを手放すことで、意外と道は開けるかもしれませんよ。






【オマケの告知】もし、新しいことに挑戦するのに悩んでいれば・・・
著書「前に進む力」のダグラスが来日して、今週日曜に緊急トークショーやります!「過剰な消費と過剰な労働のループ」を断ち切りたい方には、いろいろヒントになるはずです。


~Meet Douglas Purviance~

 
























10/23(日)東京・Talk *緊急かいさい*
トークとお茶の午後 at OnEdrop cafe. 
with ダグラス・パーヴァイアンス、跡部徹、宮嶋みぎわ 
~人生は予測できないから面白い~
13:00 Open 13:30 Start
ご予約 miggyinfo@gmail.com までお名前・人数・代表者のお電話番号をお知らせ下さい

大ヒット中の『前に進む力』の著者&コーディネーターが集ってトークイベントを行います。本とCDの即売会がありますよ♪




結果的にトークショーの告知になってしまいました。「前に進む力」という書籍で「人生は予測できないから面白い」というリスクを取って前に踏み出すヒントを伝えられましたが、ダグラス本人の楽しく肩の力を抜いた生き方を直接感じてもらえる貴重な機会ですので、ぜひ。

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2011/10/10

【告知】10/23に「前に進む力」ミニトークショーやります!

お陰様で、売れ行き好調の書籍「前に進む力」ですが、ダグラス・パーヴァイアンスさんが来日するのにあわせて、緊急でミニトークショーを行うことになりました。
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トークとお茶の午後 at OnEdrop cafe.
with ダグラス・パーヴァイアンス、跡部徹、宮嶋みぎわ
~人生は予測できないから面白い~
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-期日 10/23(日)
-会場 OnEdrop Cafe.(ワンドロップカフェ)http://www.onedrop-cafe.com/
-定員45名 詳しくはコーディネーター宮嶋みぎわ(miggyinfo@gmail.com)まで
-出演 ダグラス・パーヴァイアンス、跡部徹、宮嶋みぎわ
-時間 13:00 Open 13:30〜15:30
-ご予約 miggyinfo@gmail.com までお名前・人数・代表者のお電話番号をお知らせ下さい
-お問い合わせ OnEdrop cafe. Tel. 03-5829-6822 (営業時間 11:30 - 翌2:00)
-USTREAM中継協力 STOPMOTION.JP http://www.stopmotion.jp/
『前に進む力』の大ヒットでジャズ・ファン以外にも名前が知られるようになったダグラス・パーヴァイアンスさん(NY在住のグラミー受賞トロンボーン奏者、プロデューサー、The Vanguard Jazz Orchestraリーダー)の来日に合わせ、同書の共著者である跡部徹さん(メディア・コンサルタント)、コーディネーターを務めた宮嶋みぎわさん(ピアニスト・作曲家・The Vanguard Jazz Orchestra日本代理人)が一年ぶりに集い、ゆるやかで温かいトークの回を開きます。本が出来たその後の生活について、新しいCDについて、次の夢について・・・様々なトピックについてカジュアルに、でも深く、語っていただきます。終了後、サイン会も実施予定です。
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せっかくの機会ですので、書籍後に起きていること、今後チャレンジしようとしていることなどいろいろと語り合えたらと思います。発売されたばかりのVJOのアルバムForever Lasting In Tokyoの秘話にも突っ込んでいく予定です。





場所もOnEdrop cafe.という「前に進む力」を作るきっかけとなった思い出の場所。「前に進む力」のあとがきに書いたように、この本を作るきっかけは国際フォーラムでのダグラスとのトークショーでした。そして、この国際フォーラムでのトークショーを僕がやるきっかけとなったのが、OnEdrop cafe.でリクルート97年入社同期数人での同期会で、久々に宮嶋みぎわさんと再会したことです。「場の力」に感謝しつつ、凱旋公演的な気持ちでゆるく楽しく話せる会にできればと思います。

あ、その同期会に感じたことをまとめたのが以下のblogエントリーです。
「従業員という生き方」から離れている人たちの5つの秘訣

まだ一年を振り返るのは、早いですがあの同期会のときには、2011年にこんな書籍やアルバムが出ることになるとは、まったく思っていませんでした。気がついたら、2つのプロダクトが世に出ているとは。。。

ということで、トークショー。よかったらぜひお越しください!

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2011/10/07

Steve Jobsの意思を継いで、世界を変えていくのは僕たちアップルチルドレンだよね!



朝、スティーブ・ジョブズの訃報をtwitterで見てしまいました。いつかはこの日が来るとは思っていましたが、やはり覚悟ができていなかったようで、呆然としてしまい、気がつくとアップルと自分の歴史を振り返っていました。
はじめて、アップル製品をやっと買えたのがLC575で大学に入学したときです。確か、母親が僕と弟に、小切手をくれたんですよね。自由に自分で考えて、使えと。それで、いつでも欲しいものがあった僕はすぐにLC575を購入し、弟は貯金していました。それが出会いです。
LC575とレーザーライターというプリンターを購入し、大学のゼミ論文もこれで書きました。内容は、アップルなどの熱狂的なファンのいるブランドのマーケティング戦略について。それだけ、自分がアップルの虜になっていました。
それ以来何台のMacが僕の仕事を支えてくれたか。。。会社に入ればパソコンはMac。社会人2年目ぐらいの大阪と東京兼務の移動時代には、DuoというMacbookAirと同じコンセプトのモデルが、東京名古屋間ぐらいしかバッテリーが持たなかったけれど、頑張ってくれました。
以下、つらつらと購入したものを書いてみたら、こんなリストになりました。
LC575
Perfoma5320(会社)
PowerBookDuo230c+Doc
PowerBook2300c
初代iMac
PowerBookG4 15inch
PowerBookG4 12inch 
MacMini
MacBook(黒)13inch
MacBookAir 13inch(初代)
MacBookAir 13inch(SDD)
MacMini
MacBookAir 11inch×2
iPad 64GB+3G
iPad2 32GB+wifi

iPhone3G
iPhone3GS
iPhone4
AppleTV
TimeCupsele
iPodシリーズとか周辺機種とか数知れず…
こうやって書きだしてみて思うのですが、アップルの素晴らしさは購入する前から憧れとしてあり、それは年々期待を裏切らずに大きくなっていきました。
普通だったら、この会社の株に投資するという応援の仕方もあるのでしょうが、アップルの場合は、自分が商品を購入して、周囲の人に素晴らしさを伝えることが、応援する方法だと疑わないブランドでした。


「株じゃなくて、商品が欲しくなる会社」。これってすごく大事なことだと思います。もし、大学生の時に、アップルの株を買って、LC575を買っていなかったら、今の僕はないと思います。商品を購入したほうが、得られるリターンが大きい商品。そして、未来へのワクワク感も、自分の可能性が広がるワクワク感が何者にも替えがたいものでした。


スティーブ・ジョブズは自分の死を通して、全世界のアップルチルドレンに目を覚まして、自分の人生を生きろと背中を押してくれたように思います。
「君たちの時間は限られている。だから自分以外の他の誰かの人生を生きて無駄にする暇なんかない」
そう人生は短い。自分のテーマとして課題に思っていることに、自分というリソースを割いて、解決に当たらなくちゃいけない。納得していないことに、時間を切り売りしてお金を稼ぐために働いていちゃダメだ。自分のテーマと仕事を結びつけて、世界を変えるために仕事をしなくちゃいけない。
もっとわがままに社会に影響を与えるために、自分の力を使っていかなくちゃ生きている意味がない。
2011年は、日本に生きている我々にとっては、生き方を考えさせられ、自分の人生を生きるための決断をした人が多く出た年として記憶されることと思います。
311の東日本大震災。その後のボランティア活動をする人たちの姿と国の動きのGAP。911から10周年、そしてスティーブ・ジョブズの死去。
すべてが、自分の生き方を振り返り、今後どう生きるかを問われた出来事です。

きっと、今日の訃報に触れたアップルチルドレンの中から、自分の働き方や生き方を見なおし、ジョブズの意思を継いで、世界を変えていく人が出てくると思います。

もちろん、僕も短い人生での優先順位を忘れずに、自分のテーマをより加速させようと決意した一日でした。

「ジョブズの最後に残したのは、素晴らしいアップルチルドレンたちだ」と言ってもらえるように、今度は僕らがジョブズからもらった未来へのワクワク感を創りだしていかなくちゃ。明日からは、僕らの番だ。


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2011/09/28

クリエイティブ都市に成長していく空気をマニラのフォート・ボニファシオで感じた




先日の三連休を使って、弾丸でマニラに行ってきました。
二日の滞在で、経済の中心であるマカティと富裕層の集まるフォート・ボニファシオに絞って現地を調査してきました。

現地に住んでいる日本の方、現地で働いているフィリピンの方に話を伺い、かつ、スーパーやショッピングモール、住居や学校、オフィスなどをできる限り見て回りました。

いろいろと思ったことがあるのですが、まず最初に感じたのは「海外企業の進出に一切障壁を与えないこの国のオープン性、ノーガード性」です。ショッピングモールはほとんど海外有名チェーンで埋め尽くされ、まるでどこの国にいるのかわからなくなります。進出してきている企業のロゴもおなじみの世界企業たちです。

このオープン性は、歴史も大きく影響しているのだと思います。スペインの侵略を受け、アメリカの占領を受け、一時期日本に占領され、そしてまたアメリカへ。その上で独立してからも、「フィリピン」というスペイン国王フィリップ二世から取った名前をいまだに使っています。たぶん、あんまり強いこだわりを持たないのかもしれません。

もちろん、経済成長にあわせて民族主義が勃興してくることもあるとは思いますが、現地の人を見ていると、そこまでの上昇意識もあまりないように感じました。

差別的な意図はまったくないのですが、外国の血が入っている人のほうが、上昇志向があり、仕事もでき、社会的にいいポジションにいるように感じました。もちろん、遺伝的なことじゃなく、海外から入ってきた親の教育や環境の違い、友人などの周りの環境で競争心が起きるかどうかが原因でしょう。

よく南の国でありがちな、温かくて働かなくて食べるものが自然にたくさんあると、上昇志向も必要なく、暮らせるということも少なからず影響していると思います。

海外企業にとっては参入しやすく、中流階級ができてきたら自分たちの商品を買ってもらえる市場にしやすい。一方で、現地に独自の文化や自国のブランドが育ちづらい…。


僕の興味は、住みやすくいい街ができてくれば、世界中から才能が集まってきて、化学反応が起きるという部分にあります。この条件を満たしつつあるのがフォート・ボニファシオなんじゃないかという空気を感じました。

もともとが米軍の基地。その跡地に、都市計画を作り開発していく。金融、IT、海外企業のコールセンター。証券取引所を移転させる。レジデンスとオフィスとショッピングモールを作る。美術館も計画している。

そこに外国人が住み始める。外国人の民度の基準で街のソフト面が作られていく。海外チェーン店が、アパレルから飲食まで進出してくる。こうやって、気がついたときにサンタモニカみたいな空気ができ始めている。(フォート・ボニファシオのハイストリートなどに限れば、本当にスッキリしてました)

現在は現地の人がBPO(business process outsourcing)で世界中の企業からのコールセンターとして働き、近所のショッピングモールのマクドナルドやケンタッキーでコールセンター従業員向けの格安メニューを食べる。でも、こうやって所得を確保した人から、自分の能力を磨きながら、ステップアップを始める。

それとともに、海外企業の従業員が駐在としてやってくる。今は、文化的なものが少ないかもしれないが、きっとここにクリエイティブクラスが増えるのに併せてカルチャーもやってくる。今はまだカラオケや映画しかなくても、これからコンサートや演劇、アートなどが入ってくる。一度、質の高いものに触れた人は、また質の高いカルチャーを求めるようになるでしょう。

リチャード・フロリダのいう「クリエイティブ都市」が誕生していきます。

間違いなく、今、目を付けて集まってくる人は、リスクを取るのが好きなフロンティア精神のある人々。そして、街づくりが世界基準で進んでいるため、気持ちがよく暮らしやすい街ができつつあります。レジデンスやオフィスなどの建物は5年後完成の計画で、販売の話がされています。

こういう都市では、今後クリエイティブ都市として、起業やデザイン、アートなどの個人としての才能が集まってくるコワーキングスペースが生まれ、そこに面白い人同士の出会いがあって、次の化学反応が生まれていくでしょう。

僕は、こういう可能性の空気が大好きです。今回、クリエイティブ都市に「なりかける」都市にはじめて接して、なにか自分が求めている感覚が認識できた気がします。

5年後街がどうかわるかを考えてわくわくする都市と、5年後街がどうなってしまうか不安になる都市
この違いは本当に大きいです。


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