さて、今日のほぼ日に、この本の著者のお一人であるデイビッドさんのコメントが、すごくズシンと来ました。世界同時「お金じゃない動機で仕事をする」ブームですね。
一部を引用します。全文はこちらで。
私は音楽ビジネスで起きていることを追い続け、
独立後の自分の仕事を組み立てながら、共通点を見いだしてきました。
私の「ツアー」は、講演活動です。
この4年は、平均すると年50回のライブ(講演)をしてきました。
今年はオーストラリア、スペイン、スウェーデン、オランダなど
各国に講演にでかけました。
いまも、バーレーンへ向かう道中でこれを書いています。
私の「アルバム」は書籍です。この10年で7冊出版し、
先日あらためて、電子書籍だけの新刊も発売しました。
『ソーシャルメディアの新しいルール
(New Rules of Social Media)』シリーズのプロデュースもしていて、
こちらでは他の著者のものを5冊出しています。
まあ、私の講演は昼間ですし、会場は明るいですし、
観客はくそまじめで飲んでる人なんてほとんどいないんですが、
それでも私の仕事は音楽の世界と驚くほど似ているのです。
私はグレイトフル・デッドと音楽ビジネスから、
どれほど多くのことを学んだかわかりません。
音楽ビジネスが私におしえてくれたことをいくつか挙げてみます。
【粘り】
初めのうちは、講演させてくれるなら無料でもどこへでも出て、
経験をつみ、ファンをつくります。
たとえ講演料が無料だったり、タダ同然であっても、
まず何百本かやる覚悟が必要です。
それがないなら、収入につながるほど上手になれるはずがないので、
はじめからあきらめた方がいいです。
何か技術を本格的に身につけるには1万時間必要だと言われています。
まずその1万時間をやりとげることです。
【動機】
お金じゃないんです。
本1冊の印税なんて1ドルか2ドルだし、
講演料も、はじめたばかりのころにはほとんどもらえない。
お金のためだったら、いまでも大企業で勤めていますよ。
【クリエイティビティーの発揮】
私はロックスターになりたいけれど、音楽の才能がないんです。
でも幸せなことに、毎週、数百人、時には千人の聴衆の前でステージに立ち、
クリエイティビティーを発揮できるすばらしい機会を頂いています。
麻薬みたい。いや、麻薬よりいいですね。
【ファンとの交流】
ライブの後は観客との時間を大切にします。
最後のお客様が帰るまで残って、名刺交換し、
一緒に写真をとり、本にサインします。
【コンテンツを大量に創ること】
本を出すだけではなく、
ブログ、動画、ソーシャルメディアでの交流はマストです。
無料コンテンツは有料コンテンツへとつながり、ファンの拡大は講演依頼、
特に、フィーをしっかり頂ける企業向け講演につながります。
例えば私は、今年の始め、
ビースティー・ボーイズやレディオヘッドをまねて、
「クラウドソース」の動画を制作しました。
観客が撮ってくれた私の講演の動画を集めて編集したのです。
一工夫加えて、公演中に聴衆が発信したツイートも数百入れ込みました。
この動画のおかげで、世界中から講演依頼をいただいています。
これも、元は音楽の世界のアイディアです。
※動画のダイジェスト版はこちら。
【流通】
ビジネス書を出版するには、自費出版、インディーの出版社から出す、
メジャーの出版社から出すという3通りがあります。
私は3つとも経験していますが、著書7冊のうち最近4冊は、
アメリカ最大のビジネス出版社であるワイリー社から出しています。
なぜか? お金ではありません。儲けなら自費出版のほうがいい。
メジャーを選ぶ理由はただひとつ、流通です。
数ヶ月前アムステルダムで本屋にふらっと入ったら、
私の著書の英語版、オランダ語版を両方おいていました。
これは自費出版ではまず無理でしょうね。
【成功の秘訣】なぜでしょう? 僕も同じくできたら一生働きたいという欲求があります。でも、自分の提供するもののクオリティが低くなれば、続けることはできないと認識してもいます。
ひたすら働くことです。
講演依頼は迷ったら受ける。飛行機に乗ってでも行く。
狂ったようにブログを更新する。次々出版する。
メディアのインタビューを受ける。
セス・ゴーディンやトム・ピータースなどが各地で講演を続けるのはなぜか?
それが大好きだからです。
彼らが成功しているのはなぜか?
一生懸命働いているからです。
ビジネス誌で頻繁に引用され、熱心なファン向けに
ブログで新しい話題を次々提供しているのです。
──以上のように、音楽ビジネスからはたくさんのことを教わりました。
今の自分があるのは、十代の頃から音楽が大好きで、
何十年もにわたって毎月数本のライブをみてきたからこそだと思います。
本当に幸せなことです。
往年のロックスターのように、
私も今の仕事を70歳を超えてもずっと続けていきたいのです。
そうなるように、今はこのペースでがんばらないといけないと思っています。
きっとこの感覚はアーティストや職人も同じなんだと思います。給料を得るための仕事ではなく働いている人は、社会に対しての信用や喜んでいる人からのフィードバックを糧に生きているんだと思います。
僕の場合には、オリジナルの「視点」や「編集」、「切り口」を提案することで、社会に影響を与えたり、問題を解決する。今スポットがあたってないけれど素晴らしい物を掘り起こす。「もうちょっとこうしたら、俄然良くなるよ!」ということを実現する。これが仕事のモチベーションなんだと思います。
本を書く、ブログを書く、講演をする。確かにこれが僕のツアーなんだと気づきました。
P.S.今夜は来日しているThe Vanguard Jazz OrchestraのBillboard Tokyoでのライブに行ってきます! そうか。僕もVJOというビッグバンド組織を元に「生き方」の本を書いたわけだから、このデイビッドさんと考え方が共通しているのも当然かもしれないですね。
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