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2011/11/16

Monocle編集長タイラー・ブリュレ氏講演より。「ネットがあるからこそ、実際にその場に行って人と会うこと大事」



昨日のエントリーで紹介したMonocle編集長タイラー・ブリュレ氏の講演「ポスト・ラグジュアリーの時代」の感想続きです。

いくつか個人的に刺さった部分をピックアップして紹介しておきます。

1:年間200日以上海外にいる理由

・ジャーナリストとしての自分の役割。ネットサーフィンでわかったように思っているのではなく、外に出て人と会うことで意見を形成していく。同僚なども世界へ出かけて行って、経験したことを共有していくことが大事

・実際に「その場」にいることが大事。ネットがあるからこそ、実際にその場に行って人と会うことが重要。目に見える形で、そこにいることが大切


2:日本のアピール下手・マーケティング下手な点

・海外のハイストリートに日本人建築家が設計した大使館を設置すれば、日本ブランドをアピールできる。中にいる人達は、どんな人達なんだろう?と興味を持ってもらうことができる

・311以降、日本で国際的な会議を行なっていない。ダボス会議などを招聘したらいいのに

・日本ブランドは、海外でも日本の文脈でマーケティングを行なっている。いい商品やいいサービスを持っているのだから、それを表現していく必要がある


3:メディアに関して

・monocleが創刊したときに、「物理的なものを提供する」ということに重点をおいた。物質、紙であることのフェティッシュ

・台割はAffairs/Business/Culture/Design/EditsのABCDE。読者に対してハードルの高い国際情勢から始め、徐々にデザインなどの楽しいものへ

・雑誌の価格も高く、WEBも購読しないと読めない作り+podcastで提供。リテール(リアルショップとウェブショップ)を準備し、コラボ商品を販売
※僕が感じたのは、雑誌じゃなくてMonocleというコミュニティを作っている。価格が高くても、このブランドの世界観・セレクトが好きなのでお店やコラボ商品を買って参加したくなる

・新しく始めたのがmonocle24=ラジオプログラム。ソーシャルメディアでは、多くの人が叫んでいる。小さなディナーテーブルに親しい数人と、良い料理を囲んで楽しい会話をしているようなリラックスした雰囲気をみんな欲っしている。だからこそ、ラジオというメディアを選んだ。本当のインタラクションができる贅沢な場

・国営ラジオなど、ちょっと古いけれど上品なブランディングがされている雰囲気を参考にした

メディアには「いい目利き」が必要。よい編集者がいて、ちゃんとした目を通してみないと間違ったことを信じてしまう

・マスメディア/ソーシャルメディアには、それぞれの位置づけがある。レガシーメディアの課題は、適切な編集がされていないもの、いいプロデュースがされていないものが多すぎる。ファッション業界では、いいバイヤーを探しているのと同じ。優れた編集者やジャーナリストが必要。ストーリーテーラーが必要。大きなメディアは、方向性を示す力を持っているのだから。


と、非常に考えさせられるのと、編集者出身である自分が共感できる内容でした。ネットで会議がすんでしまう時代だからこそ、現地に行くこと、人と会うことの重要性は増しています。ものすごいスピードで玉石混交な情報が溢れているから、落ち着いて温かみがあり信頼のおける情報が必要ですね。


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