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2010/11/03

人生って何が役に立つのかわからない。役に立つときが来てはじめて「あのときの経験は、自分にとって意味があったんだ」と気がつく。

10月末に国際フォーラムで、グラミー受賞アーティストのダグラス・パーヴィアンスさんとのトークショーをやって、ふとタイトルのように「過去にやったことで今の自分に役立っている」ことに思いあたることがあり、このエントリーを書いています。自分の中ですっかり忘れていた過去の経験だったので。

高校生の時に、1ヶ月に一度、FM仙台(現在はDate fM)で30分番組「飛び出せ! 高校生諸君」の出演+企画をやらせてもらっていました。番組の企画から取材、出演までを自分たちでやるという自由な枠でした。もちろんサポートにディレクターさんがついていただきましたが、ここまでやらせてもらっていいのかというぐらいの恵まれた機会でした。

番組のスポンサーが予備校だったので、ターゲットとなる高校生に聴いてもらうためには、高校生自体が出演したら友達も含めてターゲット聴衆者が獲得できるはず。という背景があったからだと思います。事実、出演は予備校のターゲットとなる進学校のみでしたので。


企画作ってどんなテーマで番組を作るのかという一通りのことを勉強できたのですが、特に鍛えられたと思うのが、フリートークの技術です。毎回、スタジオで話すのですが聞いている人を意識して話すという初めての経験。説明することを意識しながらも、普段のおしゃべりのようにテーマに沿って会話することの難しさ。適切な言葉で即時に相手に返さなくちゃいけない瞬間芸的な頭の使い方まで、ここで鍛えられたように思います。さらに、スタジオの時間がありますから無限に時間が使えるわけではないという切迫感もありましたから、必死でした。

よくよく考えてみると仕事をしているときに重要なのはこういったコミュニケーションスキルだったりします。特に話すスキルって、忙しいときに磨くのは困難ですから、高校時代に実践で勉強できたのは本当に恵まれていました。普段の仕事だけでなく、いまだに急に司会やトークショーを頼まれても、なんとか対応できているのも、この時の経験のおかげです。

こういうことって、高校生の時にはまったく気がつかなかったよなぁ、と。でも、あのときの自分とその経験を与えてくれた大人に感謝しています。そういえば「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1994-2009」のあとがきにこんな文章がありました。もっと俯瞰的に人生を捉えると、こういった過去の自分に感謝することがたくさん出てくるのでしょう。

そんなに簡単にあっさり括ってしまっていいのかどうかよくわからないが、人生とはたぶんそういうものなのだろう。あとになってみれば「ああ、そうか、そういうことだったのか」と腑に落ちるのだが、その時点では何がなんだかわからない。でもよくわからないからこそ、人生にはきっと意味があるのだろう。よくわけがわからないこらこそ、これからどうなるのか先が見えないからこそ、人は必死になってそこから何かを吸収していくのだ。









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