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2012/11/07
最新技術よりも、現実社会で起きている「人間くさいコンセプト」が大事
左が1984年のカメラで右が2012年のカメラ。1984年発売のCONTAX TはもちろんフィルムでズームもなくAFでもない。一方、2012年のSONY RX100はデジカメで28mm相当から100mm相当までズームができるレンズがついている。
コンセプトとしては、どちらも「ポケットに入るサイズで、CarlZeissのレンズで良い写真をハズレなく、自分のイメージしたように撮りたい」というニーズを満たしてくれるもの。CONTAX Tはポジフィルムを入れて雑誌の簡単な取材などの時に利用していました。
この二つ、驚くべきことに年の差が28年も!あるにもかかわらずコンセプトはほぼ一緒。逆に言えば28年もかかって、やっとこのコンセプトとアナログ時代の使い勝手を埋めるデジカメが出たとも言える。(僕というターゲットにおいてですが・・・)
家電製品、デジタルガジェッドなどは新しければ新しいほうが優れていると信じられている。もちろん、技術進化が激しい分野なので、性能という面では否定はできない。しかし、道具としての完成度という視点で見た場合には、まだアナログ時代の使い勝手を超えられていないものが多いのも事実。
電子書籍も、「持ち歩けて、さっと開いて、すぐに読み始められる。ちょっとした空き時間ができたときに、積ん読状態だった本からのゆるやかな催促」という、紙の本のコンセプトに追いつくのに20年ぐらいかかるのかもしれない。
そりゃそうだ。紙の本だってここまでの形になるまでに数千年の時間がかかっているから・・・。
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Webサービスを設計している人、アプリを企画している人、デジタルガジェットを開発している人・・・すべてに言えるかもしれないが、やはり人間に受け入れられてきたベーシックなコンセプトからヒントを得たほうがいい。ぜったいに。
web上で起きていることよりも、現実社会で起きている人間くさいコンセプトのほうが正しい。
人と人をマッチングさせるようなサービスやアプリを作っている人たちにとっては、街中で僕らが見知らぬ人と自然に知り合う機会が起こる場のメカニズムを分析することをお薦めする。お寿司屋さんやバーで、マスターや大将から自然と話を振ってもらってお互いの会話が始まるとき。一対一じゃなく、カウンターの向こうの共通の知り合いという三角形のコミュニケーションがあれば自然に話ができる。
ユーザーの興味関心(インタレストグラフ)を収拾してビックデータ解析で・・・と考えている人たちは、日常の中にある不思議と自分の興味関心を話しているタイミングを研究してみたほうがいい。なぜ、美容院や床屋・ネイルサロンでは自分の興味関心や最近行った旅行などプライベートなことをいろいろ話せるのか?その一方で、自分の仕事のことや職場のこととかは話してなかったりして。
人間らしい生活を送っていたり、自分が現実社会で友達と遊んだり、飲みに行ったときに起こるコミュニケーションだったり、旅行に行ったときに経験することだったり、すべての遊びや生活が貴重なインプット情報になるわけです。こんなに素晴らしいことってないですよね!
だから僕は、頑張って人間らしい生活を送り、できるだけ遊ぶように必死に努力しているわけです。法人の経費に入れてもいいですよね・・・?え、ダメですか・・・。すいません。
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