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2010/09/18

アーティストSarah Tseさん講演@東洋美術学校での気付き。

東洋美術学校副校長の中込さん(@dconcert)にご招待いただいて、学生向けの講演に参加させていただきました。香港出身でロンドンのセントマーチンを卒業し、アーティストとして活躍しているSarah Tse(サラ・ツェー)さんの講演です。



いろいろと気がついたことがあったのでblogに記録しておきます。

■AIR:アーティストインレジデンスという化学反応を起こさせる仕組み
今回日本には、アーティストインレジデンスと呼ばれる地域にアーティストが滞在し、地域の人や環境の影響を受けながら作品を作るプログラムで別府を訪れたそうです。そこで、別府に住む8人の宝物とそのストーリーをインタビューし、ドローイングの作品を完成させています。

別府という地域の持つ特異なコンテキスト(過去には新婚旅行に訪れるような観光地。温泉が地域のコミュニティの中心にある土地。港町で外から移ってきた人が多い地域。そして、衰退してしまった地域)が、香港出身のサラにどんな化学反応を起こさせるのかという仕掛け自体が興味深いです。

■クリエイターを育てる学校で、年齢の近いロールモデルを見せること
東洋美術学校という日本のアートスクールで、未来のアーティスト候補である学生たちに、ロンドンのセントマーチンを卒業して活躍し始めたアーティストを引き合わせる。そして、彼女の口から今回の初めての個展のことや今の表現に行き着くまでの紆余曲折を語ってもらう。これ以上に刺激的な授業はないと思います。

講演の最後に未来のアーティストである学生に対して、サラは以下のメッセージを送っていました。
「アーティストになること。それは一日ではなれないし、長い期間がかかります。強い情熱で常に取り掛からなくてはなりません」
とても大切なメッセージだと思います。これは別にアーティストだけのことだとは思いません。全ての個人名で勝負している人たちに共通したメッセージです。自分のブランドが簡単に形成できるような風潮が最近横行しているように感じますが、長く時間をかけて築いて行くものです。人との繋がりだって同様です。うまく言えませんが、だからこそ大人になればなるほど、年齢を重ねれば重ねるほど楽しくなってくる。そして、何かを成し遂げようとしたときに、やりやすくなっていきます。

このことをすでに気がついていて、学生へのメッセージとして提供できるのはすごく深いです。。。

■学生をさらに巻き込む次に繋ぐ仕掛け
最後に面白いなぁ、と感心したのがサラの東京での個展準備を手伝ってくれるボランティア学生をこの場で募うという仕掛けです。これは、きっと副校長の中込さんから学生への更なる機会のプレゼントだと思いました。

話を聞けるだけでなく、一緒に個展設営を手伝うことで多くのことを学べるし、何より擬似体験ができるのではないでしょうか。アーティストとしても人手が必要でしょうし、学生としては機会が得られる。いい仕組みだと感じました。

今回、学生に混じって講演を聞けにいけたお陰で、いろいろなことに気が付けました。中込さんご招待いただきありがとうございました。

■サラ・ツェーさんの中落合ギャラリーでの個展情報




2010年9月25日(土) ~ 10月9日(土)
人も物も、すべてゆかしき、奇妙な驚きの物語り 展
http://www.nakaochiaigallery.com/jp/index.html


Tokyo Nakaochiai Gallery
Sarah Tse (サラ・ツェー)
期間中の開廊日時 : 木曜日 / 金曜日 / 土曜日 12:00‒17:00
上記以外の日時でご覧になりたい方は、ギャラリーまでお問い合わせください。




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