2011年に体験したことを、ふとこれってアートによって課題解決している事例だったよなぁ、と思い出しました。
世界三大がっかり名所と言われれば言われるほど、観てみたくなるマーライオンが修繕に入ったときの話です。観光名所が修繕に入ると、修繕費用が発生するだけでなく、修繕中には集客が減ってしまうという機会損失も同時に発生してしまいます。
しかし、2011年のシンガポール・ビエンナーレの時に、足場が組まれたマーライオンを利用して、日本人アーティストの西野達さんによって1室だけのホテルが作られました。それが、マーライオンホテルです。
ビエンナーレ期間中という限られた期間ですが、期間中は抽選によって選ばれた当選者が有料でホテルに宿泊することが可能で、昼はアート作品としてマーライオンホテルが一般に無料で公開されるという展示でした。
足場の中には、当然マーライオンの胴体が・・・
中にはホテルなので、バスもあります
エントランス入ってすぐにマーライオンの後頭部が。。。
調度品なども文脈のあるもので構成されていました
もちろん景色も抜群!
この展示によって、修繕期間が逆に貴重な鑑賞タイミングという価値を産み出していました。
・間近でマーライオンの頭部が観ることができる
・マーライオンホテルというアート作品を体験できる
・稀少なタイミングに行ったという記憶が残る
・この期間じゃないと撮影できない写真が撮れる
世界の名所をホテルにするという西野さんのインスタレーションシリーズの一つですが、経済的な価値を提供しながら観光名所という歴史的な文脈も利用できるこの仕組みは改めて素晴らしい発明だと思います。
実際、僕もいつかはシンガポールに行かなくちゃと思っていたものの、明確なきっかけがありませんでした。しかし、このマーライオンホテルの話を聞いて、このタイミングに行かなくちゃ!という理由が生まれて、行動したわけですから。
アートやクリエイティブを、経済的な数値で判断する人へも説明できれば、もっともっと活用の場は拡がるはずです!
RSSリーダーで購読する
にほんブログ村