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2010/03/09

CGM時代に、唯一失った貴重な機会。

僕自身、そんなに懐古的じゃないですよ。基本的にCGM万歳です!
CGM化で得たもののほうが多いですが、唯一失ったものは「ユーザーの現場に立ち会える機会」だとふと思いました。

「ユーザーの現場に立ち会える機会」と言っても何を言っているのかよくわからないと思いますので、ちょっと説明します。

昔(といってもほんの数年前まで)は、読者登場モノのコンテンツをためには
以下の二つの方法しかありませんでした。

・ユーザーをどこかに呼び出して取材する形式
・ユーザーの家に訪ねていって取材する形式

どちらも、直接ユーザーと会えて話を聞ける貴重な場でした。

そこで、本音や建て前で言っていること見抜いたり、
会って話をするからこそわかる人となりや付随する情報がたくさん得られました。

特に私が読者取材をたくさんしていたのはカーセンサー。つまりクルマの取材です。

自然とクルマの中に積んでいるものや、家族構成。聞いている音楽。
お守りをつける人なのか、芳香剤常備派なのか、UFOキャッチャー多様派なのか。
などなど多くの情報を得ることができ、重層的に「ターゲットユーザー」をイメージできる経験を得ることができました。

また、必然的に後者の「ユーザーの家に訪ねていって取材する形式」の機会も
少なからずありました。家に上げていただきコーヒーとかごちそうになりながらインタビューをすることもありました。
そこには、飾ってある賞状や写真。どんな家具に囲まれているのか。
どんな家で、他にどんなクルマがあり、駐車場がどうなっているのか、などなど。
生活の中に入ることで、その「ターゲットユーザー」を理解する情報に溢れていました。
特に、人の家を訪れるということは、生活環境。周辺にどんなものがあって
どんな空気感の街に住んでいるかということもつかむことができました。


やはり、自分が経験した貴重な体験に関しては、ちょっと懐古的になっている気がします。
しかし、言いたいことはこれだけです。

CGM化で失われたものは、「ターゲットユーザーを理解するための経験」であり、「編集者やマーケッターが身につける修行の場」です。


CGMで得たものは大きいですが、
企業は編集者やマーケッターがインサイトを発見するための経験を
どこで担保するのかを考える必要がありそうです。

僕自身の課題としても、恵まれた取材環境にあやかれない時代の
「ユーザーを理解するトレーニング」の姿を考えていこうと思います。

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