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2008/06/09

「お笑いタレント化」社会




山中伊知郎さんが書いた新書「お笑いタレント化」社会ですが、
この本のNBオンラインの書評で面白いものがあったので紹介します。

 たとえば現在、誰もが当たり前のように“芸人言葉”を使うようになった、という。さらに、お笑いタレントの立ち居振る舞いが若者の憧れにもなっている。

〈KY時代の中で、「自分は、たとえば関根勤のような『空気の読める』人間になりたい」、そんな欲求が、若者たちを中心に数多くの人間たちを「お笑いタレント化」させている原動力なのだろう〉

 なるほど。いまや“お笑い”の素養が、人間をはかる大きなモノサシになっているようだ。だからこそ、屋形船のサラリーマンたちは、海パン一丁で「おっぱっぴー」と叫びながら客間に飛び出していく。

 でも、一般人にまで波及している「お笑いタレント化」は、もしかしたらもっと深刻なものなのかもしれない。「空気を読む=場の“ノリ”に参加する」ため、必死で自分の“キャラ”を模索し、ウンチク話や笑いのネタを収集する。そして、恥ずかしさに耐えながら“ボケ”をかまし、まわりに気をつかいながら“ツッコミ”を入れる。

 そう。「お笑いタレント化」によって、僕らは、お笑いを強制させられているような気がするのだ。屋形船で大騒ぎする裸の男たちの表情に浮かび上がっていた悲壮感は、苦手な酒を飲まされるサラリーマンのそれとよく似ていた。

 そう考えると、「そんなの関係ねぇ!」という言葉が、“空気読め社会”に生きる現代人の福音となって聞こえてくるような気がする。そんな社会の処方箋まで「お笑い」に頼らなきゃいけないというのは、皮肉な話ではあるけれど……。

(文/清田隆之、企画・編集/須藤輝&連結社)



お笑いブームと「空気読み」KYの関係指摘、
空気が読めるタレントとしての「関根勤」さんの存在。
そして、そこに集まる若者の憧れ。
やはり、この辺の「兆し」から何か読み取れそうな気がしてなりません。
この書評ホントに良い指摘だと思ってますよ!

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