2009/11/09

広告業界の憂鬱。イノベーションのジレンマでしょうね。

円高による輸出産業不振だけじゃなくて、広告不況も深刻になってきています。
ただ、広告不況には「今までがウハウハだったんでしょ」というやっかみが入るためになかなかマスメディアでは正確には伝えられていない気がします。


広告不況で影響を受けるのは、テレビ局や出版社などの媒体社。広告を扱う広告代理店から、広告制作会社。さらにはそこから仕事をもらっていた各種クリエーター(個人事業主も多い)。はてはタレントまで、と裾野が広く影響します。




この広告不況がより深刻なのは、「広告主企業の収益源」と「広告に対して費用対効果の考え方を導入」というダブルインパクトによって起こっているという背景です。特に後者を直視して、抜本的な対応をしないといけない時に来ています。


主に、この「広告への費用対効果」ですがネット広告によって明らかになり、浸透していきました。実は、今から考えるとこうなることは予想できていたはずです。イノベーションのジレンマで、利益率の高い広告宣伝モデルを否定してこれなかったことが今になって、媒体社を苦しくしています。


ネットの検索ワード広告の大きなイノベーションは以下の3つです。
・「誰でも出せること=広告審査が従来のマスメディアに比べると格段に低い」
・「市場原理で広告単価が決定する=入札制」
・「広告経由の効果が可視化される
おかげで、費用対効果が明らかになり、集客コストとしての価値が明確になってきました。


しかし、テレビや雑誌などでは、結局「効果が不明瞭」です。「ブランディングや認知率、純粋想起率」などの数字で語られますが、あくまで目安です。もちろん売上との相関などもわかりません。また、効果と広告費が連動しているような市場原理もあまり働いていません。


特に、テレビや雑誌などは「誰が見ているのか」というデータもネット広告に比較すると、明らかに曖昧です。



ここまで当たり前のことを書いていますが、自分の立場を明確にしておきたいと思います。
私は、広告が大好きですし。必ずしも費用対効果ですべて可視化される「CPAモデル」だけが正しいとは考えていません。


広告のクリエーターがやっていることや、広告業界がパトロンとなってアーティストを結果的に育てていたり、そのおかげで雑誌というすばらしい体験メディアができあがっていることに対して感謝しています。むしろ、その環境で社会人になってからもお金をいただいて来た側の人間です。




だからこそ、従来のテレビ広告や雑誌広告、交通広告、ラジオ広告、新聞広告でも、本気で効果測定できる仕組みをいっそ造りに行って、ビジネスモデルを変更する勇気が必要だと思っています。


集客連動で広告費という概念は難しいと思いますが、ターゲットに対しての接触率を可視化して、ターゲット接触率連動で広告費を設定できるように変化するしかないと思っています。きっと今までだって「いい広告プランニング」でやってきたことなはずです。それが可視化されて、取れる金額が変わってくるだけです。


乗り越えなくちゃいけないハードルは以下の3つです。
収益は確実に減少します! でも、飛び移らなくちゃ墜落します
・ただ枠を販売していただけの人や有効な広告を作れない人は淘汰されます。
ターゲット接触率をきちんと測定できる仕組みの開発


3つめの「ターゲット接触率を測定できる仕組みの開発」は、現在あるIT系の技術を使えば可能になってきます。テレビがネットに繋がっていれば・・・。HDDレコーダーがネットに繋がっていれば・・・。雑誌がキンドルなどの電子ブックリーダーで提供され始まったら・・・。交通広告に閲覧者を把握するシステムがついてきたら・・・。いつも持っているスマートフォンが接触した広告を把握するシステムになっていたら・・・。


そう考えると非現実的なことではないはずです。後は、個人情報のところがハードルかもしれませんが。このシステムを提供できるところが広告業界の収益を得られる企業になると思います。


それが広告代理店なのかもしれませんし、媒体社側がシステムを提供することになるかもしれませんし、アップルやアマゾンなどの企業かもしれません。




広告業界を応援する立場として、次のモデルに果敢に取り組んで欲しい。いつまでも既得権益を守っていたら、その業界が別のプレーヤーに淘汰されるだけです。今ならまだ間に合いませんか?




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