宣伝会議11月15日号 「自社メディアを開発する企業の狙い」という特集が組まれていました。
企業が取り組む媒体をトリプルメディアという概念で3つに分類して整理してあります。
ペイドメディア(paid Media)=広告
アーンドメディア(Earned Media)=CGM、口コミ、SNSなど
オウンドメディア(owned media)=自社メディア
と、企業宣伝担当者や商品プロモーション担当者は3つの方向性に気を配る必要が出てきています。
宣伝会議ではこの3つ目オウンドメディア(自社メディア)の重要性や取り組みが紹介されていました。
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このトリプルメディアという整理は、非常にしっくりくる整理です。
従来、企業や商品の宣伝担当は、宣伝(広告)と広報(パブリシティ)をコントロールしていればブランディングやメッセージを管理することが可能でした。しかし、現在では宣伝と広報の仕事以外に、SNSやblogなどで書かれる内容にも気遣い、さらに、自社のHPでの情報発信やtwitterでのゆるい顔の見えるコミュニケーションまで卒なくこなさなくてはなりません。
そう考えてみると、実はトリプルメディアという捉え方ではなく、宣伝も広報も含めてコミュニケーション管理のできる人が必要になってきたということが大きいのだと思います。
もはや、分業ではなく権限をもってそのブランドの人格を担保できる人物が必要になってきたということです。
情報発信するときには、その情報を受け取る人たちが、どんな気持ちになり、どんな行動を起こすのかを思い描かなければなりません。
また、発言したことや商品などがweb上で、問題にされはじめたときに、スピーディに適切な訂正や軌道修正を行うことが求められます。
実は、この手の対応でキーになるのが、結局「人間性」になってくると思っています。
山岸俊男さんのおっしゃるとおり「正直は最大の戦略だ」が当てはまると考えています。
いろいろな企業が、自社メディアを実施するときに成功するのは
「人の顔の見える」「担当者(=中の人)の個性がにじむ」「誰が言っているのかのコンテキストが共有できる」ときだと思っています。
・朝日新聞のサッカー日本代表のtwitter中継
・フジヤカメラのtwitterでの発信
・BebitのtwitterでのUIテスト問題発信
・永谷園の生姜部
などなど、考えてみると、顔出しとコミュニケーションの裁量が与えられていることだと思います。
見ていると、企業の情報発信と併せて、「私個人」としての感想や趣味などがにじみ出ていたりすることが受け入れられます。
ちょっと失敗しても、「ごめんなさい」というコミュニケーションが
自分の裁量ですぐにクイックレスポンスできるかも大きいと思います。
また、あくまで企業の公式発表の文体ではなく、自分の生の発言として口語体として発信できるかだと思っています。
さらに、このコミュニケーションに向いている20代などの若手に任せられるかもキーとなってきます。
私がかかわっている案件でも、担当者がこの辺のコミュニケーション能力が高い人に
「やっていいんだよ!」ということを示してあげて、成功事例を見せると
若い人ほど、コミュニケーションのツボをすばやくつかみます。
「記者発表」のような発信者対大勢の記者という「1対多の構図」ではなく、
発信者個人(あくまで企業の中の個人として)対消費者という「1対1の関係」が肝となってきていることに
早く気づいていただければと思っています。
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