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カート・コバーンがなくなった時のことをよく覚えている。
NHKにニュース速報のテロップが出た。NHKと、カート・コバーン。
まったく、相容れないもののように思えた。
そんな環境では、本人が病んでいるのもしかたがないように感じた。
27歳で、カート・コバーンがなくなる前の
インタビューをもとに、イメージ映像をつけて
約90分間の構成で作られたのがこの映画だ。
もちろん、見に来ているのはコアなファン。
もしくは、なんらかの影響を受けた人々だろう。
渋谷のアミューズCQNで見たのだが、もちろん観客はまばらだった。
内容的には、本人の痛々しいまでの告白で
追い詰められていたことが伺える。
意外によかったのが映像だ。
期待していなかったが内容に沿いながらも、綺麗で澄み切っていて、
だからこそ寒々しい感触を見ている人に提供してくれていた。
「ブレーク前の瞬間が一番楽しかった。」
バンドだけじゃなく、すべてそんなものかもしれない。
ベクトルが上に向かって急上昇している瞬間が一番幸福感があるのかもしれない。
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