グローバル サイトタグ(gtag.js)

2012/04/17

新しい社会ムーブメントを担う人たちを、「C世代」ではなく「DIYピープル」と表現したほうがいいと僕が思う理由


■「C世代」では、ムーブメントが見えづらい



日本経済新聞では「C世代」とラベリングして、年初から連載を行っています。しかし、どうもネーミングが与えるイメージがもったいなくて、モヤモヤしてしまいます。
コンピューター(Computer)を傍らに育ち、ネットで知人とつながり(Connected)、コミュニティー(Community)を重視する。変化(Change)をいとわず、自分流を編み出す(Create)。ジェネレーションC、未来へ駈ける。
ポスト団塊ジュニア世代の特徴として、その通りなんだけど、世代論としてしまうにはもったいないムーブメントだと考えています。

世代を超えて自分たちで身近な社会問題に楽しんで取り組んでいる人たちを見えづらくしてしまっているからです。

この種族に名前をつけて、このムーブメントによって起こるポジティブな側面を、多くの人に気づいてもらえる形にしたほうがいいと思っています。これこそ、次の社会の仕組みを作って行く動きだからです。


だからこそ、別のネーミングが必要だと思っています。

■「DIYピープル」が社会を明るく改善する


僕的には「DIY」という表現こそが、このトライブ(族)の生態を表していると思います。なので、「DIYピープル」というネーミングにしてみました。

・自分たちで、自分の周りの課題を解決しようと動く人たち
・自分ごとである身近な課題を、喜んで解決する人たち
・どんなに社会に課題が溢れていても、未来は明るくなると信じている人々
以前の「DIY」が自分の生活に必要なものを、自分で作るという意味合いの色が付いてしまっていたのに対して、ここでいう「DIY」にはもうちょっと「自分ごと」と思える範囲の「公共性」が入ってきています

そのため、眉間にしわを寄せた社会活動とは捉えず、素直に自分として「あったほうが楽しいから」「自分ができることだから」という気持ちで動いているのが、大きな特徴です。

それとC世代というネーミングは、パソコンと向き合ってばかりで内向的なイメージを持たれるものの、DIYピープルと表現したほうが、アクティブでたくましい語感も含まれていて、実際に近いと思います。(正直、会社組織に依存していた層と比較すると、内面はずっと彼らのほうがたくましいですよ。)


■「自分ごと」範囲の拡張と「消費<創造」



この背景にあることが大きく二つあります。どちらも時代適応した価値観です。

一つは、「自分ごと」と思える範囲が拡張していることです。


「各々が自分や家族を守るように権利主張する」という考え方から、「自分の知り合いや、自分が住んでいるエリアの人たちも幸せになるように知恵や手を貸す」という考え方にシフトしています。

前者が企業経営者と労働組合というゼロサムゲームの対立軸だったとしたら、後者が「まあ今は大変なので、できることは一緒にやって、なんとかこの苦境を乗り切りましょう!」というポジティブサムゲームのような状況です。

まあ、それだけ奪い合っている環境ではないからこそ、産まれてきた価値観なんだと思います。



二つ目としては、消費よりも創造が楽しくなっているから。


背伸びしてお金を消費する行為が「イケてない」ように感じ、身の丈の暮らし方、生活の質をその人らしく丁寧に上げているほうが「イケてる」ように思えてくると、どんどん消費ゲームが色褪せていきます。



もちろん、消費活動は必要なのですが、消費が色褪せたことによって「消費>創造」だった価値観から、「創造>消費」と逆転したのです。


昔なら、お母さんに作ってもらった服よりも既製品じゃなくちゃかっこわるかったのが、逆転したのです。手作りのモノのほうがカッコイイのです。既製品よりも自分で手を加えたもののほうが愛着がわくのです。

実際、消費では満たされない、より高次な欲求を、何かを創造することで私たちは感じることができます。尊厳欲求(自己承認欲求)や自己実現欲求を満たすことができます。



この二つのが背景が「DIYピープル」を突き動かしているのだと思います。



こうなってくると、
「自分たちの課題解決を、自治体や国・企業にお金払ってわざわざやってもらっていましたが、楽しさに気がついてしまいました。なので、自分たちでやります!」
という流れが起きますよね。いや、起きてますよね。すでに。


備考:この動きの代表的事例であるクリエイティブ都市ポートランドのことについての以下の本、刺激的でした。成熟した都市環境で起きている世界的な流れですよね。


RSSリーダーで購読する


にほんブログ村 経営ブログ 広告・マーケティングへ
にほんブログ村