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2013/03/24

「しなやかに群れずに飛べる人」たち


先週金曜日、リクルート97年入社同期15周年記念同期会が行われました。

なんと、100人強の同期のうち半分50名以上が東京に集結しました。全員が東京にいるわけでもないのに、各地からいや世界中から集まってきました。相変わらず、優先順位がよくわかっているw

リクルートを卒業した人間も、現役リクルートの人も、それぞれ自分の持ち場で活躍し、離れていても刺激を与えてくれる素敵な仲間たちです。同期といっても、一緒に仕事をしたことがある人はほとんどいません。でも、なぜかすごく安心して、話ができる人たち。きっと、それぞれが本気で自分の人生を生きて、苦労もしてきているからなのかなぁ。


この人たちみんな楽しむことに手を抜かない。。。近況が書かれた名簿、会を盛り上げるための事前アンケートやパーティ内容、読み物としてもかなり充実しているインタビュー集である15周年同期会冊子、入社式の映像、入社したときの豊富が書いてある当時の新入社員名簿etc. 昔からそうだったけど、楽しむための工夫や仕掛けの遊び心を、どんなに忙しくても忘れない。


上の写真の同期会冊子の作成を手伝ったのですが、表紙イラストをお願いするときに、同期会の表紙のテーマを何にしようか悩みましたが、結局モチーフはカモメ。

僕らが入社した頃のリクルートはカモメがシンボルマークでしたが、それだけでなく、同期のことをイメージしたときに思い浮かぶイメージが、自由にしなやかに飛べるカモメでした。それを伝えて同じく同期の長浜くんが仕上げてくれたデザインが上の写真です。なんと一羽として同じカモメがいないというこだわりのストーリーを仕込んでくれました。

冊子の編集後記にも以下のようにコメントしました。

「しなやかに群れずに飛べる人」。僕がイメージする同期像です。一人一人が頭と心で判断して、勝手に動ける。環境にあわせて、自分ができることを見つけ、しなやかに変化していける。そんなことを長浜君にイラスト化してもらったのが、この表紙です。これからもみんなと、カモメらしく空を飛べていけるといいなぁ(跡部徹)


奇しくも、この冊子の中に常見陽平くんがまとめてくれた当時の採用責任者(現リクルートスタッフィング代表取締役社長 長嶋由紀子さん)へのインタビューで、97年入社組の採用基準が明かされていました。

機動力のある自ら動ける「自動巻人材」であり、「自分の上司になれるレベルの人間」という2点があげられていました。

この入社基準を聞くと、こんなに個々のキャラが立った人たちの集団なのに、なにか同じフィルターがある理由がよくわかりました。それぞれが自動巻人材だから、いまだに勝手に自分で自家発電して、勝手に飛べる仲間。

本当に、この同期の一人に入れてもらえてよかったなぁ。みんなを楽しませるために奔走してくれた幹事の皆さんに感謝です!!



蛇足:入社した年に購入して、いまでも持ってるものって何かあるか考えてみたら、ありました!あちこち引っ越しても一緒に過ごしてきたバタフライスツール。同期のみんなが熟成しているように、この家具もいい味になってきている。

そして、このタイミングでバタフライスツールを作っている天童木工と企ましてもらっている不思議な機会にも感謝です。やっぱり好きなものなどは本当に当時からまったく変わっていないなぁ。

あと、自分の新人としての抱負を読んで、何も変わっていないことに驚愕してしまいました。。。会社員になった人が抱負として書くことだろうか・・・。

植草甚一のような困ったジジイで、なおかつ、高城剛のような移動力を持った、ポール・ウェラーのような雰囲気の人になるため人生修行中。

変わらないものと時間によって熟成するもの、どっちも大切。いつにもなく長いBlogになっちゃったじゃないか。それだけの熱をもらってしまったようです。。。


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2013/03/22

「サシ飲み」もしくは「三人以下飲み」のすすめ


最近、意識的に飲み会を二つに分類して、このカテゴリーに当てはまらないものには、できるだけ出ないようにしています。

1:新しい人と出会うor出会わせる飲み会
 人数が多くても可

2:じっくりと話し合う飲み会
 人数は三人まで

「今度じっくり」と言っておきながら、5〜6人集まると、司会進行役をおかない限り、みんなが盛り上がれる話題で時間を過ごしてしまうから。

こう書くと、「飲み会にまで効率を求めてるのかよ」と思われるかもしれないですが、実態は逆です。

じっくりと丁寧に他の人の話を聴く時間を持ちたい。2のカテゴリーである「サシ飲み」もしくは「三人以下飲み」の場を優先したいからなのです。

以前、インタビューのすすめ的なエントリーを書きましたが、その延長線上にある考え方です。

「インタビュー」は、大人のための素晴らしい遊び!

“「インタビュー」は、仕事や飲み会以外で、目的を持って人と会う素晴らしい機会となるからです。"


一方で、自分の周りのすでに知っている人が考えていることを、じっくり聴いたことがなかったということに気がつきました。

そこで、飲み会でじっくりと話ができる3人以下飲みのカテゴリーを作って、意識的に行うようにし始めています。

今のところ、発見が多く、灯台下暗しと感じることが多く、おすすめです!


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2013/03/11

閉塞感のある君へ。こっちへおいでよ。



共著者として執筆に参加した『閉塞感のある君へ。こっちへおいでよ。』が本日届きました。

2010年3月11日の東日本大震災から、ちょうど2周年となる2013年3月11日に。

僕自身が宮城県出身であり、東日本大震災は自分ごとでした。実家も親戚もあるため、生死をわける一瞬の判断や、その後のライフラインが復旧するまでの体験などをたくさん聞きました。

そこで再確認されたのは「田舎特有のコミュニティの大切さ」でした。食料を分け合う、先に水が出たら近所の人とシェアする、一緒に居て話をすることが不安を抑えることに繋がる・・・など。



この『閉塞感のある君へ。こっちへおいでよ。』という不思議なタイトルの本も、悩んでいるのであれば一人で悩むのではなくコミュニティに飛び込んでみることを提言しています。

この本は、湯川鶴章さんのTechWaveコミュニティに集まるメンバーの実体験が集録されています。面白い人の周りには面白い人が集まります。同じコミュニティとして集まる同志からの影響は大きく、自分を引き上げてくれる力があります。

だからこそ、自分が影響を受ける「コミュニティ」を選ぶことがより重要になってきます。それは住む場所も、仕事をする上で所属する所も、一緒に余暇を過ごす仲間にもあてはまります。

閉塞感から脱藩したいなら、“何を”学ぶかも大事だけど、“誰と”学ぶかはもっと大事です(p.252)

震災後、僕らが痛感した「人間の自然に対する無力さ」「自分は、一人では生きられないちっぽけな存在」ということを忘れてはいけません。一方で、行政や国に頼ってばかりではなく、自分たちで生活を良くしていくという覚悟も必要です。その時に力を発揮するのが「コミュニティ」だと信じています。

閉塞感のある君へ。こっちへおいでよ!
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『閉塞感のある君へ。こっちへおいでよ。』

人とつながって情報発信するコミュニティ型生き方の秘訣

はじめに 運のいい人の周りには運のいい人が集まる法則

PART1
<日本の未来は「アジアでビジネス、日本でソーシャル」 湯川鶴章>

 今、日本で起きていることの傾向と対策 梶原健司
 若者よ アジアのウミガメとなれ 加藤順彦ポール
 家族ノマドライフのすすめ 板羽宣人

自分らしく生きる人の裾野が広がってきた
人と人を結びつけることを仕事にした人
高生命エネルギー体になれば、人が引き寄せられるようになる
謙遜しないで褒め言葉を素直に受け取ろう
自分のホントの凄さは自分ではわからない
価値になると思わなかった部分が「オモロさ」になる
無限ループで自分の「オモロさ」を極める
ネットワークでつながった時代は「オモロさ」が武器
「オモロさ」と社会のニーズをつなげる
社会は変わる。自分も変わる。「オモロさ」の合わせ技で行こう
人とのつながりで能力が乗数的に増えていく
忍び寄るネガティブゾーンの罠に「待った!」
意識的に固定概念を外して自分の世界を広げよう
人とのつながりで自分らしい生き方を実現する時代が来ている

PART2
<こっちはこんなに楽しいよ−実践者たちの活躍>
ソーシャル時代のシューカツ。偏差値低くても企業から誘いがきた! 岡俊輔
出馬決意後10日後で当選!ソーシャル選挙顛末記 横田親
21世紀の大国、中国から逃げるな 北野博(仮名)
アジャイル中国生活で見えた「アジアの中の日本人」とは? 高野元
現地語できません。でも、日本からビジネスできました 矢澤修
経済縮小、所得減少は避けられません 谷口賢吾
「評価経済」ってあるんですよ 長津孝輔
何でも手作り。フィンランドに見る日本の未来の可能性 小菅祥之
社会の当たり前から脱藩する!?「脱藩学」 跡部徹

メディアからコミュニティになったTechWave
社会の変化を議論できるパワーあふれる場
1  TechWaveコミュニティとは何なのか?
2 事務局から見たTechWave塾コミュニティ
設定した高額な受講料がフィルターとなり、コミュニティが成功
今後のコミュニティがどうなるかはまだ実験段階

おわりに



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2013/03/06

「中身化する社会」=「自分を作品化する」覚悟が必要な時代

尊敬する編集者である菅付雅信さんの『中身化する社会』を読みました。さらっと、読める新書ですが、深いし面白い!

今僕らが直面している変化の流れについてまとめてあるので、この本を題材にいろいろと議論できる本となっています。



写真は、先週山形に行ったときにもらってきた座椅子を家のリビングに設置したところを撮ったものです。旅館で何十年も使われてきた座椅子が、旅館の廃業に伴って放出されたものです。

縁があって譲り受け、自宅に届いてからワックスで磨き、さらに愛着がわいてきます。良い材料と職人の技術で作られた良質の家具を、こうやって大事に引き継いで行くことが気持ちいいと感じていたところでした。

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中身化する社会」の第1章には、このような「コンフォート」の波の紹介から始まります。


単に「快適」を示すものではなく、衣食住すべてにおいて、「本質的だからこそ心地が良い」ことを意味するものへと変容していると言えるだろうか。(p.18)

もし人々が使い捨ての商品ばかりを求めるなら、僕らの仕事もいつか使い捨てにされることに驚いてはいけない。このサイクルを突破するひとつのやり方は、目を覚まし、品質を求めるようにし、そして、よく仕立てられて長持ちする、意味のある商品を買うことだと思う(p.20)

今は、基本に立ち戻って、人生をシンプルにするべきとき。物事のコアを探るべきときだと思う(p.98)

クオリティのある生活は、そのために仕事をする価値があり、そしてそれこそが人生を満たすものだと、みな思うようになっている(p.104)


そして、コンフォートの波はファッションのカジュアル化にも影響し、「ソーシャルメディア上でその人の考えていることがわかる時代には、もはや見た目だけの重要性は低下する」という個人メディアとの関係性に踏み込んでいきます。

「匿名的、つまり、固有名がないこと。それが服装のことであれ、個人として立とうとしないことは、“アティチュード(心構え)”の問題として、すでにクールではない」(p.188)

情報の洪水のなかで、考えることをやめて激流に身を任せるのか?それとも、その洪水に抗いながら、自ら定めた方向へ泳いでいくのか?(p.160)

情報が氾濫し、生き方が可視化された時代に、クリエイティブな人はどうすれば評価されるのか。評価される人生を送るしかない、(中略)、それはつまり『人生の作品化』です。(p.214)

ネットで生き様が見られている、情報化されている以上、生き方を作品化しないと人々は評価してくれないのです。『人生の作品化』などと言うと美しく響くかもしれませんが、大変な時代が到来したとも言えます。匿名的な裏方でいながらも影響力のある第一線のクリエイターでいるというあり方は、なかなか成立しづらいのです。(p.215)

現在進行系で私が直面している世界のことを代弁してもらっているような感覚になります。やはり、実行者として「自分を作品化」して生き残っていかなくてはならないと、強く認識させられる本です。

「自分を作品化」することは、セルフブランディングとは異なります先ほど紹介した座椅子の職人やデザイナーが世間に胸を張って言える「自分の仕事」を残しているように、自分の仕事や姿勢に「美学」がますます求められるということです。

自分が関わった仕事・作品に自分の名前がついても恥ずかしくないものを、ちゃんと向き合って残していく。それが振り返ってみると「自分を作品化する」ことにつながるのだと思います。

菅付さん、素晴らしい本をありがとうございました。


第一章 ソーシャルメディアが「見栄」を殺す
ブルックリンで体験した「コンフォート」の波
『セックス&ザ・シティ』の女優はコンフォートへ
カジュアルダウン化が進む世界
消費者のラグジュアリー疲労
もはや見た目の第一印象は重要ではない
ファッションはインスタントな言語ではなくなった
ラグジュアリーの魔法が解けた
ラグジュアリー離れは情報の動脈硬化
ネットは見栄を検証する
もはや個人の年収もネットで判断できる
検索が生き方を変える

第二章 ライフスタイルが「競争的」になる
クラフトマンシップの復活
お洒落なレディー・ガガよりもブスなアデルが売れる理由
ネットが生んだ新しい手作りの波
ピクセルの世界では味わえないリアルなものづくり
イメージ産業の衰退
先進国の人々は広告を信じていない
広告ではなく「コミュニケーション」
広告の未来は広告ではない
企業はソーシャルメディアでひとつの人格になる
イメージよりも言葉が強い時代
オーガニックは食を透明化する
健康的なイメージではなく本質の追究
カウチ・サーフィンが旅行を原点に回帰させる
ソーシャルグッドなライフスタイル誌の台頭
『第四の消費』が示す、浪費でない消費
「イメージの競争」から、「本質の競争」へ

第三章 人が、そして社会が「中身化」していく
大衆に「可視化」されるプライバシー
有名人は徹底的に可視化される
ジャスティン・ビーバーのやらせ可視化
オーヴァーシェアする人々
「あなたが誰だか知っている」
ソーシャルな人格を管理する
有無を言わせぬ「中身化」の波
人がネットで採点される
ネットの採点が就職に影響を与える
人生全体を記録するライフログ
与えられた情報だけをむさぼる動物とならないために

第四章 「中身化する社会」を生きる
検索の中で、自分の生き様を見失う
IBMが予測する「評判という資本」
人間の「計画的陳腐化」からの脱出
ソーシャル・キャピタルの広がり
貨幣から評価に価値をおく社会へ
「普通」をやめよう
等身大の自分を情報として共有する
坂口恭平の徹底した中身化の生き方
自分でもわからない領域
ネット社会を「分人」として生きる
21世紀の仕事の大きなシフト
英エコノミスト誌が指摘する「日本というぬるま湯」
人生の作品化、人生のシグネイチャー化
村上春樹が説く「どんな風に生きるか」
コミュニケーションのレベルが一段上がった社会
「豊かさ」の定義が変わる




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