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2013/09/04

予算が潤沢でも、「やる気」は売ってもらえない


「お金だけ準備すれば、いいものができるわけじゃない」
よく言われる言葉だけど、価値と価格についてちゃんと認識していない人には、さらっと流れて終わってしまっている言葉のように思います。

Chikirin さんの「定価の世界は消えゆく運命も、きっとシリーズとして定価ではなく、売り手と買い手のパワーバランスによって価格が変わるこの世の中の仕組みについて、とりあげていくのでしょう。

安く買うために・・・、高く売るために・・・、どちらも交渉力、情報力を得て有利になるように活動を行っています。そういうもんです。

僕が書きたかったのは、このプライスについてではなくて、手に入れられる「商品」が変わる場合のほうです。

受注生産商品やサービスだったり、ソフトウェアのような契約時点では形がまだないもののケースです。同じ値段を払ったとしても、できあがる商品の品質にばらつきがあることが前提となっています。

しかしながら、形がない商品やサービスを受けるときには、供給者のやる気を導き出すことで、対価以上の品質を実現できる、ということを忘れてしまっているケースが散見されます。

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よくあるのは、飲食店などでもウエイターの方や板前さんに、興味や敬意をもって接することで、対価とは関係なく「得をする」ことがありますよね。

それは特別に教えてもらった食の背景の知識だったり、特別に出してもらった一品かもしれません。


自分の仕事で言えば、商品の広告企画のソフトを作るときには、多くのクリエーターさんに集まってもらい、喧喧諤々とやりあいながら、お題を解決するソフトを作っていくときにこの「対価だけでは得られない品質」が実現することがあります。(もちろん予算が厳しいために、現場が嫌々やっているようであればいいものはできませんが・・・)。

大事なのは、面白がって働きたい大人たちに「挑戦したくなる負荷のかかる問題」を出して、「お互いが切磋琢磨したくなるプロフェッショナル」を集め、クライアント側も「一緒に目的に向かって汗をかく担当者」を準備すること。

実は、こっちのほうが潤沢な予算を準備するより難易度は高いかもしれません。しかしうまくいくと、結果は、如実に違います。


共通するのは、対価を払ってサービスを受ける側や発注する側も、一人の人間として相手を尊重して臨むスタンスがないと、本当にいいものは手に入らないということ。

「お金払ったから、いいもの手に入るのが当たり前だ!」という消費者意識を振りかざす人は、結果的に高い対価で価値の低いものしか手に入れられていません

そう考えると企業側も、予算を補うだけの熱意がある・・・とか、担当者が本当に一生懸命にやっててほっとけない・・・など、こういう人間味あふれる人がもっと大事にされてもいいのかもなぁ。

※昨夜のとある企業の新ラインナップ広告プロジェクトの決起集会。顔合わせから誕生日を祝うサプライズ準備してあったりと、古き良き雰囲気に触れて、ついこのエントリーを書いてしまいました

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