グローバル サイトタグ(gtag.js)

2014/05/28

"仕事のために"とか言い訳してでも、愉しんだり遊んだりしたほうがいい理由。


日本社会でイノベーションが起きづらいことの一番の課題は、「楽しむことに罪悪感を感じる社会」をどうやって払拭するか?でしょう。

みんなで同じ苦痛を味わうことが一体感を得るために尊重されたり、“自分が楽するため”という理由で工夫することが是とはしてもらえない雰囲気は、生産を上げたり新しいことを行う大きな壁になっている。

楽すること、遊ぶことへの罪悪感を取り払わない限り、いつまでたっても物事を前に進めようとする人たちが潰され、楽しみ方を開発する人たちが、後ろ指さされてしまう。。。

いっそ「仕事のために楽する、遊ぶ」という言い訳を準備してあげる方法がないかなぁと考えていました。

遊ぶことに罪悪感があったり、ストレス解消するためにモノを買ったり浪費しているぐらいだったら、投資として体験を買ったり先行投資として遊ぶことを“仕事のため”と“眉間にシワを寄せて”やればいい。この説得方法があるかも、と思ったのが以下の文章です。
経験的にモノにお金を払うかたはお金が増えない。体験にお金を払うかたは投資家という「生き方」をしているなあとおもう。 
なぜ体験という投資に惜しみなく金をかけられるかというと、答えは簡単。体験は流用できる。アイディアだけでお金はあとでいくらでも取り返せる。
投資的生き方においては、体験は客観的でないほうが尚いいとおもう。主観で問題の設定をしていく。
みんなが肯定しないものが投資。とおもうようにする。逆にみんなが愉しむものに参加することを消費するといいます。via:投資は生き方と思います。−所長サンの哲学的投資生活 

結局、新しいものを産み出すためには、人とは違った目を持つことが求められます。遊びがうまい人は、世の中にある“面白い”要素を発見して、活用できる人です。(その力を養うために、大人は遊ぶのですw)

みんながすでに面白いと思っているものは、市場に認知されているのでうまみはありません。みんなが見向きもしないもの、なんだかわからないものを掘り起こす・サービス化するから儲けにつながるのです。

大人こそ、“仕事のために”もっと愉しみ、遊びましょう!



関連記事:
僕が、わざわざ現地視察することで得られる3つのメリット。
「移動は投資」

追記:自分自身が遊ぶことからはじめたものに「手書き地図推進委員会」があることを思い出しました。現地の人の濃い目線で、その土地を楽しみたいという気持ちから始まった活動ですが、だんだんビジネスとしても育ってきています。こういうのが大人の遊び方だと思うんですよねぇ。


RSSリーダーで購読する

follow us in feedly

にほんブログ村 経営ブログ 広告・マーケティングへにほんブログ村

2014/05/23

何の変哲もない「紙袋」が、かっこ良く思えるようになった背景。


文脈が変わったため、今まで見向きもされないものが、急にかっこよく感じられることがある

ふと、感じたのが、上の写真のような「紙袋」。ビニール袋ではなく、ブラウンのお金のかかっていなさそうな紙袋。もしかして一番オシャレなバックなのかも。

ちょっと調べてみたら、やはりこの何の変哲もない紙袋風のバックがすでに商品化されています。

問題は、なぜこの何の変哲もない「紙袋」が急にかっこよく見えるようになったのか?

この「紙袋」の背景にあるのは…

・チェーン店ではない地元のお店で買物をしているということの意味性が変わった

ノームコアというワードが登場したように「外見を着飾ることで差別化するよりも、自分の思想や行動のほうが重要」と変化した

この話を「ファッションの話ね」と思っている人も多いかもしれないが、人の気分の変化はもっと広範囲に影響します。

先日書いたエントリー「協業するときも、広告するときも、企業は“できること”よりも“哲学・思想“が問われている。」とも背景はつながっている。そう企業のコミュニケーションの仕方も変わるのです。

また、地元のお店で買い物する、歩いていける自転車で行ける範囲で買い物をするという行動の変化は、都市設計にも影響します。

中身が問われる時に、外見は普通で力が入っていないなものであるほうが、逆に本物感が強くなる。菅付さんの「中身化する社会」にあるようなトレンドを無視できなくなります。

かっこよく感じるものが変化するときには、大きなトレンドの変化や未来へのヒントが隠されています。




RSSリーダーで購読する

follow us in feedly

にほんブログ村 経営ブログ 広告・マーケティングへにほんブログ村

2014/05/21

協業するときも、広告するときも、企業は“できること”よりも“哲学・思想“が問われている。


企業でも個人でも、一緒に何かに取り組むときに、思想や価値観がマッチすることが、ますます重要になっています。

例えば、
・労働人口が減少するから→生産性を上げなくちゃ・より人生を楽しむために→生産性を上げなくちゃ
は、やることは一緒であっても、背景や思想はまったく異なります。仮に上記2つの考えに至った会社が、生産性向上を協力して行ったら、どうでしょう?

価値観が異なるのだから、同じ「生産性を上げる」という目的でも、取り組む内容も異なってきます。前者は、他国との比較や日本全体の生産性を重視するため、労働時間を増やし、働く人に無理強いしても生産性を上げることを目指すかもしれません。後者では、労働時間を減らしても、より生産性が上がる方法を模索するでしょう。

次第に思想の違いから、ぶつかりあり、ほどなく協力関係は解消するでしょう。

一方で、
・より人生を楽しむために→生産性を上げなくちゃ・より人生を楽しむために→一人あたりの生産性を下げ、ワークシェアリングくを導入しよう
は、どちらも目指している世界観・価値観が同じために、実施しようという方法に違いはあっても、協力しながら生活を圧迫せずアウトプットが出せる働き方を模索していくでしょう。

−−−
と書くと、今では「そりゃそうだ。」と思うでしょうが、従来ビジネスの現場では、背景や思想はどうでもよく、目の前のやることを効率的にやるための協業が当たり前でした。

「思想や企業の哲学なんかどうでもいいから、おたくは何ができるの?」という世界です。

従来は、価値観の対立がほぼなかったのかもしれません。効率的に仕事をする/企業を拡大することを目指し、利益を高める以外の価値観が、ビジネス世界ではほぼ存在しなかったから。


こんな時代がやってきていることを、全共闘世代の人たちはどう感じるのでしょう。

こんなに思想や価値観を企業も問われる時代になるとは? 広告のメッセージが、自社の思想や価値観が中心になるとは?
「売りたい」つまり「成長したい」ということと、「世の中をよくしたい」ということが、密接に連関していることが、はっきりしてきたということですね。そのふたつのことを同時に満たすのが、企業活動であり、ブランディングであるということです。
企業のそもそもの存在価値、哲学に世界的共感がないと、せいぜい一瞬の繁栄で終わってしまう。カスタマー(顧客、消費者)や、世界との「ロングタイム・リレーションシップ(長い関係性)」が構築できないのです。一見遠回りのようですが、社会内存在としてのブランドのビジネスにとって、いちばん重要なことのひとつです。それに、みんな気が付いた。
 ですから、1本のCMでも、トータル・キャンペーンでも、最近はちょっと新しい傾向のものがでてきています。いわば「哲学広告」とでも呼ぶべきものです。via.海外広告が「突然おしゃべりになった」わけ:日経ビジネスオンライン
時代は急には変わらないけれど、ふと気が付くといつのまにか大きく変わっていくものです。企業も哲学・思想が問われる時代。面白いじゃないですか。


RSSリーダーで購読する

follow us in feedly

にほんブログ村 経営ブログ 広告・マーケティングへにほんブログ村

2014/05/13

年収は「住むところ」で決まる時代の、個人への処方箋。


前回のエントリー 年収は「住むところ」で決まる。競争力のある労働市場がなければ都市は発展しない はいろいろな意見が見れて興味深かったです。

都市が主語の話ではあるが、反応の多くは個人が主語のものが多く寄せられました。この本は、都市が財政破綻しないように税収を確保していくための処方箋であり、その処方箋が個人としても参考になるので、多くの人の関心となりいろいろな議論が展開できるのが人気の理由でしょう。

さて、個人としてどうするのか? 今後の身の振り方をどうするのか?という個人主語の問題についての現実的私見を今回は書いておきます。

−−−
経済的に破綻しないという目的(お金なくても幸せは追求できるけど、破綻したら不幸になるのは間違いないので。)で、個人の立場でいえば、都市との付き合い方も大きく分かれます。もちろん、個人もどんな人なのかによって取れる選択肢は変わります



年収議論から始まったエントリーなので、年収を切り口としてケース分類して書きます。本来的にはマーケットに必要とされる技能や付加価値を産み出す能力別が正しいと思っていますが、これが現在の年収とニアリーイコールだという前提です。(個人的には年収を重視することは、意味がないという信念です)


<ミドル層>
大きな課題であり、社会課題はミドル層が維持できることだと思っているのでミドル層から行きます。(人口減少課題よりも、労働者人口減×ミドル層がローワー層になってしまうことのほうが本質的課題なので)

この本に書いてあるように、労働市場の厚みがある都市を選ぶというのも一つの選択肢ですが、その前に「何の職業を選ぶのか?」というのも個人にとっては大きな要素です。労働市場の厚みがある職業を選択しましょう。

先日読んだブログには以下の様な趣旨が書いてあり、すごく実用的な提案だと思っています。
「職業別の働いているプレイヤーの総数を明らかにした上で実力順に並べて何位ぐらいまでがいくらの年収をもらっているというデータが欲しい」(ベンチャー役員三界に家なし)という趣旨を改定あります。

ちょっと引用すると…
何かをつかむ人間、人より秀でた才を持った人間はもう小学校高学年くらいには頭角を現しているはずで、何者でもない自分が、、この斜陽の国の中で食って行くにはどの職業がよいのか?
そういう視点でしか物事を考えたことはなかった。
例えば極端だが、プロ野球選手は日本で750人、プロ棋士は160人程度だ。
アナウンサーは2500人程度。
これはその年の採用人数ではない従事している総数だ。
それに対して、SE、プログラマーは67万人、倉庫業は14万人だ。
どんな職業でも必ずしも実力順に給料が支払われているわけではないだろうが、ただ、やはりその傾向はあるはずである。
その道で食っているの中でランキング最下位の人の収入ラインが350万円くらいというのは、プロ野球選手でもプロ棋士でも、アナウンサーでもSEでもおおよそ同じはずだ。
とすれば、あまりにも規模と食えるようになるレベルに差がある。
職業として同じレベルに並べるのもおかしいほどなのだ。
アナウンサーを目指す人は日本で実力3000位ならその職で生活することすら不可能だが、SEで3000位なら年収はそれなりによいはずだ。いやむしろかなり良いかもしれない。
この職業と食えるレベルに対する難易度を少年少女にはきちんと説明すべきではないのか?
親自身も社会も、「子供には無限の可能性がある。」と言った美辞麗句を盾に、職業選択とその後の現実に蓋をするのはあまりにも無責任だ。

そう。職業選択を現実的に考える方法が大事で、戦略的に自分の実力でもそこそこの年収がもらえる市場を選んでください。今後の未来予想も含めて。そして、その中で頑張って実力をつけていってください。実力がついたら他の選択肢も出てきます。自分の将来のために。

そして、ハイエンド層への処方箋に踊らされずに、自分向けの戦略を虎視眈々と実践してください。

<ローワー層>
職業選択の自由を得られるように教育に投資したほうがいいです。でも、それができないようであれば、愛想良くする能力を磨いて、どこかの社長さんに仕事を面倒見てもらえるようにするというのも一つの手です。

※たぶん、ここで実践的な方法を書いたとしてもメッセージは伝わらないし、伝わったとしても実践しないと思うのでこのぐらいでw

<アッパー層>
※資産家レベルではなく、年収1000万円クラスの職業によって給与収入で暮らしている層をイメージ

この層は、むしろもう年収を目的にすることを見なおしたほうがいいと思います。同じ年収レベルの人と同じような暮らし競争をしようとして、出費も多くなっているはずです。

まずは自分たちの価値観をちゃんと見なおして、年収基準の暮らしよりも、自分たちの価値観としての暮らしの優先順位などを見なおしたほうがいいです。

その上で、自分の能力を今後どのマーケットで使っていくのか?暮らし方を前提に考えていったほうがいいでしょう。

見直すべきは支出やローンのほうです!ファイナンシャルスキルを磨いたほうがいい層です。所得貧乏にならないように。そうすれば、ハイエンド層のような年収や住むところの自由を得ることができます。

<ハイエンド層>
金額の大きさというよりも、会社から給与収入をもらうのではなく、自分の資産やビジネスモデルを有している人であれば、
もはや年収は「住むところ」で制約される必要はありません。

この記事にあるように
「オフィスのない会社」の創業者が提言:住む場所が自由になるワークスタイルのすすめ
のように、「住むところ」にとらわれなくてもいい雇用の生み出し方や、豊かな暮らし方をどんどん提案していってください。社会を変える力を持っている方々だと思うので。

ハイエンド層という名前にしましたが、自分でビジネスモデルを持っていたり、金銭ではない収益を得ることで年収にも住む場所にもとらわれない生き方をしている人もここに入ります。彼らも同じく社会に新しい提案をすることで、社会を変える力を持っているのだと思います。こういう人たちにとっては、これから課題がたくさんある地方がむしろ面白いと思っています。
(ただし、最初のケース分類で提示したように、マーケットに必要とされる技能や付加価値を産み出す能力別なので、そういう意味で彼らは間違いなくハイエンド層なのです)



人によって取れる選択肢は異なります。そんなこと言うと不謹慎なようですが、実践的なアドバイスをするためにはこれは無視できない事実だと思っています。

取れる選択肢を増やすためには、マーケットに必要とされる技能や付加価値を産み出す能力を磨くしかありません。そのためには教育や経験、仲間などの人的ネットワークを築く機会が重要。これが小さい頃から自覚できるようになったらいいのになぁ。

現実社会の「ゲームのルール」を教えてもらえないのは、かわいそうなことだと思います。


RSSリーダーで購読する

follow us in feedly

にほんブログ村 経営ブログ 広告・マーケティングへにほんブログ村

2014/05/07

年収は「住むところ」で決まる。競争力のある労働市場がなければ都市は発展しない



年収は「住むところ」で決まる。なかなか売れそうな邦題を付けた書籍です。もともとのタイトルはTHE NEW GEOGRAPHY OF JOBS。この本の第三章「給料は学歴より住所で決まる」をもとに付けた名前でしょう。

感覚的に都市競争ってそうなっているよね、ということを論理的にデータも含めて論証した今話題の本です。

いくつか抜粋して紹介していきます。


トーマス・フリードマンはグローバル化をテーマにした著書『フラット化する世界』で、携帯電話、電子メール、インターネットの普及によりコミュニケーションの障壁が低くなった結果、ある人が地理的にどこにいるかは大きな意味をもたなくなったと主張した。この考え方によれば、シリコンバレーのような土地は存在感を失っていくことになる。シリコンバレーが栄えているのは、ハイテク関連の仕事をする人たちが密集しているため、緊密に連携しやすいからだ。しかし、人と人が物理的に接触する必要がなくなれば、こういう土地の強みは失われてしまう。 

もっともらしい議論だが、データを見るかぎり、現実の世界ではこれと正反対のことが起きている。アメリカのイノベーション関連の雇用は増えており、その増加ペースはほかのあらゆる業種を大きく上回っている。


イノベーション産業の誘致がいかに重要かについても指摘している。
 イノベーション産業の成長があらゆる人にとって大きな意味をもつ理由はもう一つある。「雇用の増殖」とでも呼ぶべき魔法のような現象が生まれるのである。イノベーション関連の産業は、その分野の企業が寄り集まっている地域に高級の良質な雇用をもたらす。それが地域経済に及ぼす好影響は、目に見える直接的な効果にとどまらない。研究によると、ある都市に科学者が一人やって来ると、経済学で言うところの「乗数効果」の引き金が引かれて、その都市のサービス業の雇用が増え、賃金の水準も高まることがわかっている。 

 ハイテク産業は、雇用全体に占める割合はごく一部にすぎなくても、地元に新しい雇用を創出する力は飛び抜けて強い。都市全体の視点に立つと、ハイテク産業で雇用が一つ増えることには、一つの雇用が増える以上の意味がある。この産業は、地域経済のありようを大きく左右する力をもっているのである。

都市間競争について起きていることは、まさにこの二極化が起きている。


従来型産業を中心とする経済と異なり、知識経済ではどうしても繁栄が一部に集中しやすい。この新しい経済は先手必勝の性格が強く、都市がどのような未来を迎えるかは、それまでの歩みによって決まる面が大きい。反映している都市はますます繁栄していく。イノベーションに熱心な企業は、イノベーションに熱心な都市を拠点に選ぶ傾向があるからだ。イノベーション分野の良質な雇用を創出し、高度な技能をもった人材を引き寄せた都市は、そういう雇用と人材をさらに呼び込めるが、それができない都市はますます地盤沈下が進むことになる。
結局は、都市の魅力を増すためには、高付加価値な仕事を与える新しい産業・仕事が必要だという結論になっている。
 大ざっぱに言えば、経済的に苦しんでいる都市の経済を活性化させる方法は二つに一つだ。一つは、労働市場の需要再度のアプローチ。雇用主である企業を誘致し、その結果として高技能の働き手が移住してくることを期待する。具体的には、その都市を企業にとって魅力的な場所にするために、税制優遇策などの奨励処置を導入する。もう一つは、供給サイドのアプローチ。町の住み心地をよくすることで、高い技能をもった働き手を引きつけ、それを追って企業が進出してくることを期待する。端的に言えば、前者は企業を「買収」する政策、後者は働き手を「買収」する政策と位置づけられる。

さらに、この本で面白いのはリチャード・フロリダの主張(クリエイティブ人材が集まる寛容な場所が経済発展する)をぶった切っていることだ。その事例として、ベルリンをあげている。

この10年以上、ベルリンはドイツ国内で最も失業率が高く(全国平均の二倍に近い)、住民一人当たりの所得の伸びは国内で下から二番目にとどまってきた。ドイツでは抜きん出て刺激的で創造的な都市であり、ヨーロッパで屈指のクールな町であるにもかかわらず、ベルリンは堅実な経済的基盤を築けていないのだ。同性愛者であることを公表している進歩的な市長―この町のボヘミアンな雰囲気を象徴する存在だ―は、ベルリンを「貧しいけれどセクシー」な町と呼んだことがある。
ボヘミアンが集まってきても、高い給与をもらえる仕事がなければ、労働市場も都市も活性化しない。

以前、このBlogでポートランドでに行った時の考察でも同じような結論に達しました。世界的な大企業から小規模な個人までの絶妙な生態系でした。



そして、この都市圏で見た場合にポートランド都市圏の生態系が絶妙によくできているのです。
このエントリーで書いてきたように大企業の雇用があり、それに付随して必要となるクリエイティブ系の雇用があり、そのため個人で価値を発揮すれば商売ができるという生態系がうまくできているところが絶妙だと感じました。(【ポートランドで考えた】その2:小さな都市でも、地政学的強みを活かした生態系が絶妙!|空気読み一人シンクタンク


この本で示しているデータで一番おもしろかったのは、“上位都市の高卒者は下位都市の大卒者よりも年収が高い”“大卒者の割合が多い都市ほど、高卒者の給料が高い。というもの。このデータをベースにサンフランシスコで起きたグーグルバス問題のような階層対立ではなく共生がうまく進むといいのですが。。。


アメリカですでに起きてしまった都市の二極化は、日本でもすでに始まっているように感じます。だからこそ、この本を読んで今後の都市のあり方、移住のあり方を考えておくタイミングだと思います。


特に日本では、徳島の神山の事例のようにIT系の企業誘致をすることで新しいタレントを集めて、地域活性につながっている事例だってあるのだから。いまなら、東京一極集中以外の方法も模索できる時期だと思っています。


いろいろな議論ができるこの本、面白い!



年収は「住むところ」で決まる

エンリコ・モレッティ著

日本語版への序章 浮かぶ都市、沈む都市

1. なぜ「ものづくり」だけでは駄目なのか
 製造業の衰退は人々の生き方まで変えた
 リーバイスの工場がアメリカから消えた日
 高学歴の若者による「都市型製造業」の限界
 中国とウォールマートは貧困層の味方?
 アメリカの製造業の規模は中国と同じ
 結局、人間にしかできない仕事が残る
 先進国の製造業は復活しない
2. イノベーション産業の「乗数効果」
 イノベーション産業の規模と広がり
 エンジニアが増えればヨガのインストラクターも増える
 ハイテク関連の雇用には「五倍」の乗数効果がある
 新しい雇用、古い雇用、リサイクルされる雇用
 本当に優秀な人は、そこそこ優秀な人材の100倍優れている
 アウトソーシングが雇用を増やすこともある
3. 給料は学歴より住所で決まる
 シアトルとアルバカーキの「二都物語」
 イノベーション産業は一握りの都市に集中している
 上位都市の高卒者は下位都市の大卒者よりも年収が高い
 隣人の教育レベルがあなたの給与を決める
 「大分岐」と新しい格差地図
 健康と寿命の地域格差
 離婚と政治参加の地域格差
 非営利事業の地域格差
4. 「引き寄せ」のパワー
 ウォルマートがサンフランシスコを愛する理由
 魅力的な都市の条件1 厚みのある労働市場
 魅力的な都市の条件2 ビジネスのエコシステム
 魅力的な都市の条件3 知識の伝播
 頭脳流出が朗報である理由
 イノベーションの拠点は簡単に海外移転できない
 変化に適応するか、さもなくば死か
5. 移住と生活コスト
 学歴の低い層ほど地元にとどまる
 「移住クーポン」で失業を解決できるか
 格差と不動産価格の知られざる関係
 町のグレードが上がると困る人たち
6. 「貧困の罠」と地域再生の条件
 スター研究者の経済効果
 バイオテクノロジー産業とハリウッドの共通点
 シリコンバレーができたのは「偶然」だった
 文化やアートが充実していても貧乏な都市
 大学は成長の原動力になりうるか?
 「ビックプッシュ」の経済学
 20世紀のアメリカに「産業革命」をもたらした制作
 産業政策の可能性と落とし穴
 補助金による企業誘致の理論と実際
 地域活性化策の成功の条件
7. 新たなる「人的資本の世紀」
 科学研究が社会に及ぼす恩恵
 格差の核心は教育にある
 大学進学はきわめてハイリターンの投資
 世界の数学・科学教育レース
 イノベーションの担い手は移民?
 移民政策の転換か、自国民の教育か
 ローカル・グローバル・エコノミーの時代





RSSリーダーで購読する

follow us in feedly

にほんブログ村 経営ブログ 広告・マーケティングへにほんブログ村