人と違うことを求めることは楽じゃない。社会の仕組みが、一般的な生き方に最適化されているからです。
20080820 Rail (線路は続く?) / BONGURI
レールに乗っていれば、自分の頭を使って判断しなくても、次にやるべきことが表れてくる。まるでコース料理みたいに・・・。もしかしたら、最初にコース料理を注文した認識すらないかもしれません。
これが、「その他」の生き方・レールから外れた生き方を選択した途端、コース料理ではなく、都度都度、自分の欲しいものを言葉にして、組みあわせて注文しなければなりません。
コース料理だったら、自分のニーズを口にすることもなく「みんなが美味しいと思える」「お店にとって一番、注文して欲しいもの」をサーブしてもらえます。
でも、そのコース料理が今の人の口には合わないものだったら・・・、お店の都合なだけで自分たちが欲しいと思えるものではなかったら・・・、単品メニューの組み合わせに挑戦したくなるのは自然なことでしょう。
しかし、単品メニューの組み合わせには、相応のスキルが求められます。さらには、自分の選択ミスは確実に自己責任・・・。
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今の日本社会では、この元々提供されているコース料理の欠点や粗、もしくはお店側の意図が見え見えになってきているため、コース料理よりも自分で単品メニューを組みあわせて、「自由に好きなものを選ばせてくれ!」という声が大きくなり始めています。
IMG_0019 / PoundPolo
本質的な課題は、国として「モデル世帯※」という一つのターゲット向けの時代錯誤のコースだけ出し続けていることです。さらに悪いことに、モデル世帯はほぼ存在しません。
※モデル世帯(厚労省が年金の試算に使っているもので、条件は①20歳までに結婚した同じ年のカップル②結婚生活40年③40年間夫は会社員で入社から定年までの標準報酬月額が月36万円、妻は専業主婦、というもの)
本来はお上が、時代に適したコース料理の選択肢をちゃんと示していったほうがいいはずです。示して欲しいとは思うけれども、たぶんそれを期待するのは間違っています。彼らが普段過ごしている組織こそが、今の時代の社会とは異なっているから。
じゃあ、どうするのか?
抜本的な解決ではないけれど、今できることは「単品メニューの組みあわせ事例の共有化」なんじゃないだろうか?
単品メニューを組みあわせて、時代に適合した(していると信じた)生き方を選択した人たちが、良い面も悪い面も含めて、実例やノウハウをオープンソース化して共有していくことしかないんじゃないだろうか。
そうすれば、レールから外れて、新しい挑戦を始めた人を攻撃したり足をひっぱったりするのではなく、社会に一つの事例を提供してくれているという温かい気持ちになれます。
ついでに国は確定申告タイミングで、実態調査レポートを提出することを条件に「被験者控除」枠を作って、実証事例を集めたら面白いのになぁw だって社会のためにサンプルになってくれているわけですから。
まあ、それは冗談としても、時代に適合していないモデルケースだけしか示されないよりも、「その他」を選んだ人のサンプルがたくさん提示され参考にできる社会のほうが、僕にとっては豊かな社会だと感じます。
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