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2012/12/31

2012年の振り返り:全体編


すっかり大晦日です。そして僕の誕生日でもあるわけです。現在、実家の仙台へ帰省する新幹線の中で、一年の振り返りであるこのエントリーを書き始めています。

昨年2011年末にBlogで振り返っているものを読んでみました。東日本大震災の年でもあり、緊張感や決意といったあのときの空気を今でも思い出せます。

2012年に取り組んできたのは、以下の3つでした。


1:「楽しくたって仕事はできる」という一人株式会社としての働き方

2:有形資産よりも、信頼などの無形資産に価値を置く古くて新しい価値観

3:コミュニティの複数化、経済基盤の分散化、次の社会に必要となるライフスタイルの追求


自分にとって、これから数年、ブレずに追求することになる3つの方向性です。2012年は、この3つの方向に向かって、着々と進んだ一年でした。

2012年に新たに取り組んだ「自由大学 脱藩学」は、1にあたる固定概念に囚われない働き方を伝え、3のコミュニティ形成を自分でやるということをチャンレジする活動でした。

誰かに依存するのではなく、自分で何か仕掛けてやろうと思う人たちが刺激しあえる場を運営することで、化学反応を起こす。そう思って取り組んできました。(もちろん2013年も引き続き、やりますよ!2013年1月10日から開講です。若干名であればまだ間に合いますよ)

そのためには、多くの人間ではなく世の中の3%ぐらいのターゲットに対して深く・濃くコミュニケーションすることで、自分のアウトプットを最大化するということにシフトしてみました。

ある程度、腰を据えて取り組んでみたことで脱藩同士に出会えて、たくさんのわくわく感をもらえた一年でした。労力がかかるけれども、それを上回るリターンがあったと思います。やって良かった!!脱藩学に参加したおかげで、人生の転機となる決断をしたり、新しい人生を歩み出して輝いている仲間から、本当に多くの勇気を僕がもらえました。

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ちなみに、一年前の自分が書いていたことを読んでいて「面白いなぁ」と思ったのが、「急ぎすぎず、自分のペースで、飄々と続けていく」と明言していること。

“僕らしさ”ってここにあると思うので、飄々としながら、大胆な謀反を仕掛けていきたいですね。


“価値観の変化を感じ取り、それにあったライフスタイルを提示する”

来年も、僕のメインテーマであり、知的好奇心の中心です。このblogもそうですし、脱藩学を今僕がやる意味もここにあります。来年新しく仕掛けようとしていることもここにすべて通じています。

なんだか来年の話が多くなってしまっていますが、2012年は2013年に続く仕込みの年という気分なので、こんな感じの振り返りとなってしまいました。

また、来年もこのBlogをよろしくお願いします。

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2012/12/29

2012年振り返り:海外都市編「経済の成長カーブと都市の歴史・地政学的位置を頭に入れながら、“今”どこに行くべきかを考える」

やっと2012年の仕事も納まり、振り返る時間ができたので、備忘録的に今年行った海外の都市について振り返っておきます。

2月:西安


西安で考えた「この時代の日本だからこそ得られるハイブリッドな生き方の恩恵」


成長著しい中国。沿岸部にはいままでも何度か行ったことがあったのですが、内陸部は始めての訪問。この写真でもわかるように空気と引き替えに経済成長を謳歌しています。

一番印象的だったのは、現地の人たちがこれからの豊かになっていくこと、今までの不自由から解放されて新しいチャンスが生まれていることへの希望でキラキラに光っていたことです。

日本にいると中国経済についてのネガティブな情報にばかり流れてくるように感じますが、ぜひ自分の足で沿岸部と内陸部の違いなどを感じて、「これから」のことを考えて欲しいと思います。

5月:台北

エントリー書いてなかった・・・。関連しそうなエントリーがこれですかね。

「新しいだけ」では、もはや優遇されない。



台北はアジアという目線では、すでに成熟しています。日本と同じトレンド上にあるとすごく感じる都市です。軍需工場やミシン工場跡地を使って、クリエイティブ産業を振興するための「基地」が興味深く、自分のツボでした。

日本人クリエーターが、香港や台北・シンガポールで起こっていることと、彼らとのネットワークをもっておくことがここ数年ですごく大きな価値になると思います。

11月:ポートランド


【ポートランドで考えた】その1:なぜ、ポートランドに興味を持ったのか?


ポートランドは、かなり前から興味があったのですが、いろいろなタイミングが重なって、やっとこの11月に行くことができました。

経済的にも文化的にも成熟した都市なのに、なぜか新しいものが出てくる、「個人が活躍できる土壌」のある都市。ここにこれからの日本の地方都市が参考にできる要素を発見することができました。もちろん、なにが日本の地方都市の「しがらみ」や「壁」になっているかもクリアーに見えました。

魅力的な「人」が「人」を呼ぶ引力をもつことの強さ、全体的な成長ではなくて、個人が自分の欲しているものを求めていくという次の方向性にすごく共感できました。


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「この時代に、どの都市を観るか?」という選択肢


都市を巡るときに、その都市の置かれているポジションについてよく考えます。経済の成長カーブと都市の歴史的・地政学的位置付けを頭に入れながら、“今”どこに行くべきかを考えています。

西安は成長カーブが始まりだした古都としてのポテンシャルと、シルクロードの拠点だったという地政学的にも重要な場所。一方で、ポートランドは経済は成熟期に入り、「個人・自分たちで楽しく暮らす」ことに成功したお手本の都市。そして、台北がその中間で、日本と同じようなポジションにいる都市という捉え方をしています。

自分が今観たいもの、学びたいものは何で、“今”行っておくべき都市はどこなのか?という問いが重要なのだと思います。自分が問題意識を持っていることを明確にし、その問いがあるからこそ、現地で解像度高く、いろいろなものを体験でき、人に会って話を聞くことができます。

上記の位置づけでの僕の2012年の旅は、非常に収穫が大きい旅でした。現地でお世話になった方々、行く前にヒアリングさせていただいた方々に感謝です!

さて、2013年はどんな問いを抱いて、どんな都市を選び、そしてどんな発見をしてくるんだろう。2013年は国内の地方都市とも、もっと向き合っていこうと考えています。



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2012/12/25

今年のベストバイガジェットは、NIKE Fuelband

2012年も沢山のガジェットが出た年でした。特にタブレット系の製品にバリエーションが増えて、多くの人が手にして、話題にしていた印象が強いです。




そんな中で、私的な2012年に購入したガジェットでナンバー1は、NIKE Fuelbandです。正式に日本デビューしている製品ではないので話題に上ることはないですが、「目から鱗」を実感できる商品であり、自分の日々の生活に間違いなく影響を与えた商品です。

NIKE Fuelbandとは?

センサーがついたリストバンドです。手首につけておくことで、自分の活動が記録されていきます。リストバンドに表示されるのは歩数、カロリー、時間とFUELというNIKEが独自に設定した「活動量」です。


FUELはカロリーなどは異なり、人の体型などに関係なく、どのぐらい活動したかを表す単位となっています。このため、動けば動くほどFUELを獲得できます。毎日0時にリセットされるのですが、そこから獲得したFUELが数値と、ゲージとして表示されます。

自分で設定した一日のFUEL量を超えると「GOAL」と表示され祝福してくれます。また、NIKE+というNIKEのサイト(付属のUSBで接続)もしくはNIKE+FuelBandというiPhoneアプリと接続(Bluetoothでシンク)することで、データを保存していくことができます。





毎日のデータが残っていくことで、何日間ゴール達成が続いているのか? 最高記録を抜いたのはいつなのか? 自分の行動として、何時頃よく活動しているのか? などのデータを見ることができます。


Fuelbandが、どう生活に影響を与えたのか?

さて、もともとの趣旨である今年ナンバー1ガジェットがFuelbandである理由がこれです。そう、生活に影響を与えるし、行動に影響を与えてくれました。

帰宅時に、このままだとGOALしないと思ったときには、歩いて帰る距離を増やすことで、活動量を増やしたり・・・。

ランニングするのがめんどくさいと感じることから、ランニングすることで、FUELが稼げると楽しみになったり・・・。(おかげで泳ぎに行く時間が減りましたw 水中ではつけられないので・・・)

逆もあって、FuelBandを付けるのを忘れて家を出てきたことに気がづくと、歩いたり動くのがもったいなく感じます・・・。

現実の世界で動くことで、Fuelが溜まっていくというゲームにどんどんはまってきます。もちろん、健康的で肉体をすごく意識するプラスのメリットの多いゲームです。


Fuelbandで学べたこと・感じたことメモ

いくつか箇条書きで
・店頭で購入するときに、手首のサイズにあわせてS,M,Lの中から選んで購入する。今後、ウェアラブル・コンピューター(wearable computer)の時代になればなるほど、サイズという概念が出てくるよなぁということを認識

・ウェアラブル・コンピューターの時代になると、体型データと運動などのデータ解析の両方が必要になるため、NIKEのようなスポーツブランドやワコールようなブランドが持っているリソースとブランドイメージは有利かもしれない。自分の日々の行動データを「誰にならば、託していいか」という観点は大事かも

・$149払って、Fuelbandを購入して、毎日自分の行動データをNIKEに送っていることを頭では理解しているが、この行為を含めてなぜか誇らしい気分になっている。彼らのブランド・自社サイトへのアクセス接点を、お金出して購入しているわけだから

・毎日送っているデータを元に、目標設定をされて、活動量をストレッチされるようなマネジメントをされることが、心なしか嬉しい

・毎日付けるものだから、ファッション性は大事。そういう意味でFuelBandは良くできている。ウェアラブル・コンピューターはファッション性とバリエーションが必要になってくるだろうなぁ

・時計ブランドにとっては、思ってもいない方向からの競合だろうなぁ。一時期のハイブリッドカーと同様に、高級ブランドの時計よりも、Fuelbandのような時計機能付きリストバンドのほうが健康的なイメージも含めて優位に立つシーンがあるだろうから

・人に話したくなる見せたくなるガジェットで、手首にあるため、沢山の人に紹介してしまう。今だったら日本未発売のガジェットだから、なおさら先行者が口コミで紹介するので、マーケティング的によくできている

・というか、普段ガジェット系の記事をあまり書かない自分が、ついここまで書いてしまう力があるのがびっくり。なんか「未来を感じる」製品です






日本で購入するためには、アマゾンなどで扱っている並行輸入品を購入するなどの入手方法があります。ちなみに僕はSサイズに付属の調整コマを付けて使ってます。普通、日本人女性でSサイズ。日本人男性であればMサイズでいい気がしますよ。





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2012/12/18

ボトルキープって日本が誇る販促&ソーシャル施策!?

先日、お茶しながら話していたことで、自分の中でもうちょっと深掘っておいたほうがいいと感じたことがあるので、ここに書きながら整理してみます。




飲み屋にある「ボトルキープ」という仕組みです。すごく良くできた販促施策であり、日本が世界に誇っても良い素晴らしい仕組みだと思いませんか?(他の国で聞いたことないのですが、あるのでしょうか?)

ざっくり仕組みをおさらいすると、「最初にボトル一本分の価格で注文してしまえば、一杯ごとに注文するよりも安い価格で飲める」という仕組みです。お店によって、細かい決まりはありその辺は置いておきますが、必ず「3ヶ月以内」や「半年以内」という期限が決まっているのがキモです。

ユーザー視点では、一杯毎に頼むのに比べてお得な割引施策となります。また、ボトルを入れることで「常連として扱ってもらえる」という優遇施策。

一方で、お店にとっても、常連客を作る仕組みとなりますし、初期にボトル代をもらえるのでキャッシュフローを改善するメリットがあります。(デメリットとしては狭いお店だと場所が取られるってことぐらい?)


そして、一番良くできているなぁと感じるのが、「心を大きくする効果があること」です。

たとえば、あなたが常連のお店に入れているボトルがもうすぐキープ期間が終わってしまうとします。でも、自分は仕事が忙しくて行けそうにない。そういうときに、知り合いや飲みに行こうとしている人に「あの店になら、オレのボトルがあるから飲んで良いよ」というコミュニケーションが起こります。

自分が一緒に飲みに行く場合でも、「オレのボトルが入っているから」と知人を誘って、ご馳走することがおきます。ちょっとした優越感であり、気持ちを大きくする効果がはたらいています。

つまり、お客さん自身が自分の意志で知人にお店を進めてくれて、かつ割引クーポンも発行してくれるようなものです。

他にも「ボトルが掲示板」となり、コミュニケーションツールになっていることもあります。

知人が勝手に飲みにきて、マジックで一言書いていく。ボトルを見て、誰がお店に来ているのかがわかる。ボトルを入れている常連であっても、なかなか来ないと奥の方に追いやられてしまう・・・などなど。人間が知覚しやすくて、自然とコミュニケーションに繋がるツールとなっています。

この2つは、完全にソーシャルメディア的な働きをしているとも言えます。

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なんでこんな当たり前の「ボトルキープの仕組み」を書いているかというと、web施策やO2Oサービスなどを考えている人こそ、もう一度ベーシックなアナログ時代のうまくできている仕組みをちゃんと理解しておいたほうがいいと思っているからです。

以前もそんなこと(最新技術よりも、現実社会で起きている「人間くさい」コンセプトが大事)書いていますね。

こういったうまく昔から続いている仕掛けには、絶妙な緩さと、人間の感覚に逆らわない肌感があります。ここから、すごくたくさんのヒントが得られると思っています。現実の社会の人間くさい仕組みをよく知っている人は、新しいものを産み出すのにすごく有利ですよ!

せっかくの飲み会が多くなる忘年会シーズン。
こういった視点で飲食店の仕組みから仕事へのヒントを得られるいいチャンスです!大義名分を掲げて、堂々と飲み会を楽しみましょうねw



脱藩学:年明け1月10日から開講します!


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2012/12/13

「$100STARTUP」他人から相談・質問されることが自分の食える分野


ポートランドで買ってきた「THE $100 STARTUP」(クリス・ギレボー著)という本にはまってしまいました。一言で言えば、「自分が提供できることで、マイクロ起業した人たちを紹介した本」です。



著者のクリス・ギレボーがポートランドに住んでいるということもあるのでしょうが、「難しいことを考えるよりも、自分の気持ちに従ってサッサとやっちゃいなよ」というDIY精神溢れる、ものすごく気持ちのいい本でした。


何がこんなに爽快なんだろうと考えてみたのですが、「昔の人が仕事を始めるってこんな感じだったんだろうなぁ」と思えるベーシックな仕事の始まり方が紹介されているからでしょう。カーペット販売や結婚式用のドレスのカスタマイズ販売、3ヶ月で外国語を流暢に話すための教材販売、コーヒーショップなどなど、地に足がついた商いです。

この本には沢山のマイクロ起業事例が出てくるのですが、事例を一つ一つ丁寧に紹介する理由がよく理解できます。「自分が提供する価値」に従ってマイクロ起業をするということは、その人のストーリーでありビジネスモデルではないからです。

その人にどんな特技や、その分野への熱意があるのか?自分が価値を感じていることやどうしても許せないことは何なのか?それを総合して出てきたものが、熱意を持って続けられるその人の「仕事」だからです。



本に登場する人たちは、だいたい起業しようと思って始めたというよりも、会社を首になったので・・・、いつのまにか他の人から頼まれるようになったので・・・という理由でマイクロ起業に入った人たちが多いのもすごくリアルです。

起業プランを練りまくって難しいこと・新しいことをやるよりも、自分が提供できる価値から対価をもらうかをシンプルに始めてしまうということをメッセージしています。

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このクリス・ギレボーが「$100 STARTUP」で訴えているメッセージ、何かにすごく似ているぞ!と思っていたのですが、まさしく自分がやっている「脱藩学」でしたw

他人の選択肢ではなく、自分の選択肢を見つける自分の持っているもの、他人から頼られることを活かしていく。だからこそ、社会のしがらみや社会のものさしから離れて、自分の大事にしているもの、持っているものを活かして生きていく。自分の気持ちに嘘をつかなくても、自分を社会に活かして生きていく方法を見つける。

大きなものから、個人を取り戻していく流れの中で(一部の人向けかもしれませんが)出てきているテーマなんだなぁということを「$100 STARTUP」で再認識できました。

脱藩学:年明け1月10日から開講します!


追記(2013年9月12日):翻訳版として「1万円起業 片手間で始めてじゅうぶんな収入を稼ぐ方法」が発売されました。




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2012/12/03

僕が、わざわざ現地視察することで得られる3つのメリット。



二回続けて、ポートランド滞在から自分が感じたことをBlogにアップしてきました。




よく聞かれるのが、「なんで自腹でわざわざ興味を持ったところに出かけていくの?時間もお金もかかるでしょ。」というもの。文脈としては、「いいよね。旅行というよりも視察出張みたいなものやれる余裕があっていいよね」ということかもしれません。

なかなかわかってもらいづらいのですが、余裕があるわけではなく、特に時間に関しては本当に無理矢理苦労して作っていっています。(もちろん現地でもネット環境を準備して働いているわけですがw)そこまでしてでも「行くべき!」だと思っていているからできているわけです。

ということで、なぜ僕がわざわざ現地に行って、自分の目で体験して感じてくることを重視しているかを書いておきます。


1:一次情報に触れることで、多くの発見が得られる


一次情報とは自分が実際に体験したこと。現地に行く、人に直接会うことで得られるものです。一方で、二次情報は書籍やnetなど誰かが書いたことで得た情報となります。

一次情報にあたることの最大のメリットは、自分の感情が紐付くこと。そして、自分という軸に対してどう感じるかを気がつくことできることです。

例えば、同じ場所に行っても、自分の中の問題意識や興味によって、どこを見るのか、誰に会うのかが異なってきます。撮った写真だってその人の着眼点でぜんぜん違ったものとなります。

これが二次情報となってしまうと、誰かの視点を追体験していることになり、自分の観点ではない情報が集まってしまいます。

問題意識や興味が異なるからこそ、自分で一次情報にあたることで、得られる「発見」は他人のものとは異なってきます。

自分が足で得た情報は五感で捉えているので、情報量が多くなります。映像や音、感情、気温などいろいろなものがあいまって、自分の中に保存されていきます。


2:自分独自の「ものさし」を持つことができる


一次情報がたくさん溜まっていくと、自分の中で比較することができるようになっていきます。こういった「相場観」や「ものさし」を鍛えることはすごく有効なことです。

都市を訪れるという経験で例えると、自分が住んでいる東京のあり方という「ものさし」と、ポートランドで見る物・感じる物を比較できる。さらに、香港、深セン、西安やマニラ、台北といったアジアの都市と比較する。ロンドンやパリ、ニューヨークと比較してみる・・・などなど。

自分の中に一次情報によってできた「ものさし」が溜まっていくことで、見える物、得られる情報、考察の質を上げることができます。

別に都市の比較だけに有効なだけではなく、新しい課題に取り組むときに、いろいろな引き出しを増やすことにつながるのです。僕の仕事にとっては、大きな武器になります。


3:次の仕事やチャンスを連れてきてくれる新しいタグを手に入れられる


自分で時間を投入していたり、コストを掛けて取り組み始めていることを公言すると、チャンスが不思議とやってくるのです。Pay forward!です。

なんとも説明しづらいのですが、コストや時間を掛けてやっている行動は、周囲の人の記憶に残ります。そのため、その人を思い出すときの新しいタグが、付加されることになります。

僕の場合で言えば、今回のポートランドに行っていることや、その前からの地方に行っていることを見た人から、「地域×コミュニティ×DIY」での取り組みについての相談やお声がけをもらうことが増えてきました。


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と3点挙げましたが、リフレッシュという面でも、ときどき無理にでも「人に会う時間」「違う場所に行く時間」をもうけるのは有効です。やっぱり旅というイベントはリフレッシュに不可欠です。

ルーティンから離れる。そのために「無理矢理」を自ら仕掛ける。これって、本当に大事だと思います。

以上をもちまして、1週間の出張によって、いろいろとご迷惑、ご配慮いただきました関係者の皆様へのお礼とかえさせていただきますw

告知:来年1月10日より自由大学で『脱藩学』開講します!一次情報を重視して行動できる習慣も身につくはず。

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2012/11/29

【ポートランドで考えた】その2:小さな都市でも、地政学的強みを活かした生態系が絶妙!

前回のエントリーに続いて、本題の考察編です。現地に一週間滞在して、現地に住んでいる人たちに会って、自分でどう感じたのか?


ポートランドという都市の地政学的強み

・都市と自然のハイブリッド環境

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ポートランドの人口は58万人。アメリカでもナンバー1の環境に優しい都市(2008年Popular science誌)。コロンビア川やコロンビア渓谷がすぐ近く。Mount Hoodが都心部からも見える環境。都市でありながら、ちょっと車を走らせれば自然溢れる地域。

ちょうど滞在した時期が雨の多い時期で、日によってはかなり激しい雨。ある日は雹まで降ってきました。そのため、街中にいる人でもほぼ全員がアウトドアブランドの防水・撥水フーディを着て、フードをかぶり、かつ傘を差していた人も多い状況でした。(僕が雨男だったという噂もありますがw)

もちろん、冬の時期以外はカラッと晴れて気持ちが良く、自転車にやさしい街であるポートランドも見て欲しいと現地の人々から何度も言われています・・・。

上の写真は、現地でお世話になっている友人夫妻に、車でコロンビア渓谷にあるマルトノマ滝まで連れて行ってもらったときのものです。ダウンタウンから1時間かからずに、完全な自然の中に没入できる環境です。

東北や北欧とも共通する、自然への畏怖と、雨や雪の時期に家の中で物を創るという共通の文脈を感じました。

・アウトドアブランド/スポーツブランドの本拠地


上記のような自然環境にあることが地政学的にポートランドの魅力となっていると思います。自然を愛する人たち、イケイケに経済謳歌を楽しみたい人たちではなく地に足のついた生活を志向しながらも、都市での人との関わり、カルチャーを楽しみたいという人たちが結果的に住んでいるようです。

ポートランドに本拠地を置いているアウトドアブランドや、スポーツブランドが多いのもうなずけます。今回会社にお邪魔したNIKEをはじめ、コロンビア・スポーツウェア、ペンドルトン。ダナーも工場はポートランドのようです。自分たちが、自社製品を使って楽しめる環境に暮らしながら、一カスタマーとして改善したり改良・発見が強みになっているからこそ、ポートランドに存在しているのでしょう。

あと、IT系ではインテルが大きな雇用を産み出しています。

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※写真は、ポートランド郊外ビーバートン市にあるNIKI CAMPUS。ここから世界に向けた仕事をしている

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※写真はNIKE CAMPUS内にあるNIKE湖。釣り人は本物じゃなくて銅像。キャンパス内に各種スポーツ施設が整っていて、家族も利用できる

こういった規模の大きな地元企業があることで、小さな都市であるにもかかわらず世界を向いた仕事をしている層が一定数いることも生態系としてすごく重要です。


DIYピープル・クリエイティブな仕事が集まる


・クリエイティブ業に従事しながら生活的余裕があるボボズ層


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NIKE本社などがあることも影響していると思いますが、クリエイティブ・エージェントのワイデン&ケネディやデザインコンサルタント会社のzibaなどの広義のクリエイターを雇用する土壌があります。もちろんNIKEなどの地元企業にもデザイナーなどの雇用があります。

最近はあまり聞かなくなりましたが「ボボズ(Bourgeois Bohemians ブルジョワ・ボヘミアンズの略称)」が一定数いることがこの街の生態系を面白くさせているように感じました。ブルジョワ=ヤッピーでスーツを着た会社員で金儲けに情熱を傾ける。ボヘミアン=カウンタカルチャーをベースにしたヒッピーで、お金から離れた自活・自由を重視する。この2者をあわせた概念として出てきたのが「ボボズ」でした。
ボボズは社会的にも経済的にも成功を収め、高い収入と豊かな暮らしを確保しているにも関わらず、服装はビシッと決まったスーツではなく、TシャツにGパンなどのラフな格好。食べる料理も豪華なフランス料理ではなく、どこかの山奥で取れた新鮮な水と、酵母から気を使って作られたパン。聞くのはクラシックではなく、ロックやパンク、エレクトロニカなど。芸術家肌なボヘミアンの性格と、資本家的なブルジョワジーの双方の特徴を、ボボズは持っているのだ。(『アメリカ新上流階級ボボズ』より) 

もちろん、90年代に言われはじめたボボズとちょっと違っているかもしれませんが、クリエイティブな仕事に就いて、自分の大切にするものの軸がカンターカルチャーに近い、自然の物を大切にしたり、いいものにはお金を払うという価値観を重視しているという点では、同じです。

そして、彼らがいるからこそ、飲食業やアートマーケット、ファーマーズマーケットなどのインディペンデントで小資本でいいものを提供している人たちを経済的に支えることできるのでしょう。


・個人で小資本で仕事を始められる隙間がたくさん残されている


 大企業が雇用を提供し、大企業が必要とするクリエイティブな仕事を提供する会社があり、彼らが「いいものには価値を見いだして、お金を払う」という土壌があるからこそ、個人が小資本ではじめたビジネスでやっていける人たちがいるのです。

 ポートランドで個人が挑戦しやすい環境としてあげられるのが、ファーマーズマーケットやフードカートの仕組みです。店舗を借りてチャレンジしなくても、ハードルが低く店を始められる。ハンドメイドのアクセサリーやファッション系や雑貨系をはじめる人も街中のイベントスペースで始められるプラットフォームが整っています。さらに、今では彼らには決済手段として現金だけじゃんく、ペイパルやスクエアでのクレジットカード決済を簡単に提供できます。(なぜかスクエアばかり見かけました。なんでだろう?)


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※農家直売で新鮮でオーガニックなものが手に入る分、値段は高い。その価値を認めるライフスタイル層がいるからこそ成立する
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※駐車場にキャンピングカーのようなカートを置いて店舗として営業。複数の店舗が出ていて、駐車場をみてみるとカートのレント看板が出ている
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※なぜか決済は、Squareばかり目につきました。Paypal hereじゃなんでダメなんだろう?提供してないのかなぁ

ナショナルチェーンももちろんあるのですが、地元のビール・地元のコーヒーを優先し、美味しい物や面白い物の情報がすぐに広まる距離感も大きな要因でしょう。
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※Public Domain Coffeeにて。とにかくみんなよくしゃべる。レジの人もバリスタも。僕みたいにしょっちゅう飲みに+Wifiめがけて行く人はすぐ覚えられるw

・コミュニケーションする文化。2ノックで会いたい人に会える規模感


小規模でやっているお店が多いからなのか、どこでもよく話しかけられました。コミュニケーションをする文化がすごく心地よかったです。名無しの消費者じゃなくて、一人の人間として対等にコミュニケーションをするような感覚です。

『Green Neighborhood』を書かれた吹田さんに、ポートランドに行く前に話を伺った時に出ていた「2ノックで会いたい人に会える距離感」というのがすごくよくわかりました。

小さな街だからこそ、面白い人同士が繋がっているというのと、コミュニケーションをよくするから情報が流通するという掛け合わせで、会いたい人、必要な人に情報が伝わりやすいのでしょう。

一方で、「小さい街なので刺激が足りない、もっと世界を見てまわりたい」という話も聞けました。

まとめ:都市圏としてバランスの取れた生態系が肝

ポートランド市として見た場合には、凄くクールで古い物と新しい物が混じっていて、なんでこの街はこの規模でこんなにカッコイイんだろうと思っていました。

しかし、ポートランド都市圏としてみた場合、橋を渡ってワシントン州のエリアなども含めて200万人都市圏になるようです。

実際、Thanksgivingのタイミングでお邪魔したお宅はワシントン州でした。ポートランドは消費税がない分、固定資産税などが高いので川を渡ってワシントン州にお家を建てて、仕事はオレゴン州ポートランド。もちろん買い物もポートランドという生活を聞いていると、都市圏で把握しないといけないなぁと実感しました。(追記:なんとさらにワシントン州は個人所得税の収税がないとのこと)

そして、この都市圏で見た場合にポートランド都市圏の生態系が絶妙によくできているのです。

このエントリーで書いてきたように大企業の雇用があり、それに付随して必要となるクリエイティブ系の雇用があり、そのため個人で価値を発揮すれば商売ができるという生態系がうまくできているところが絶妙だと感じました。

日本の各都市でもどう特色を出して、雇用や街作りをやっていくのかという課題が目の前にあります。その一つのヒントがやはりポートランドに行ったことでかなり実感値が持てたなぁというのが感想です。


<おまけ>

パウエルズブックスの地元チャートで上位に入っていたこの本。今読んでいますが面白いです。冒頭にポートランドのノードストロームで働いていた人が首になって、個人でカーペット屋さんを始めるストーリーが出てきます。やはり普通の小売り・製造業での雇用が減ってきて、その受け皿として小規模商売にチェレンジするニーズが出てきているようです。こちらでのスモールビジネス起業は、必要に迫られてという環境も大きいのかもしれません。日本もそのうち・・・。



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2012/11/28

【ポートランドで考えた】その1:なぜ、ポートランドに興味を持ったのか?

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先週一週間、アメリカオレゴン州のポートランドに行ってきました。そこでの考察をBlogに残しておきます。


■なぜ、ポートランドに興味を持ったのか?


・クリエイティブ都市の成り立ちを探ってみたかった


リチャードフロリダの『クリエイティブ都市論』に興味を持ったのがスタートだったと思います。クリエイティブ都市論でのキーノートは以下のようなものです。
トーマス・フリードマンが「世界はフラットになった。どこに住んでいようと、グローバル経済に参加できる」と主張する。それに対して「世界はフラットではない。世界は鋭い凹凸があって『スパイキー』だ」 
グローバル経済の波とテクノロジーの発展をもってしても、なお「住む場所」が人生、つまりは職業・職業的成功、仕事の人脈、快適な暮らし、伴侶を見つけることに影響を与えている
この本を読んでから、世界のあちこちを見に行きながら、人が集まってくる都市、競争力が高い都市とはどうやってなりたっているのかを見に行くのが、自分にとっての研究開発という位置付けになっています。

・「DIYピープル」が地域社会に与える影響を見てみたかった 


以前このBlogにも書いたように「DIYピープル」と呼ばれる種族が、もはや右肩上がりの経済成長が期待できなくなった都市の活性化や地域経済の担い手になるのではないかと考えているからです。

DIYピープルの特徴を自分なりにまとめると以下になります。
・自分たちで、自分の周りの課題を解決しようと動く人たち
・自分ごとである身近な課題を、喜んで解決する人たち
・どんなに社会に課題が溢れていても、未来は明るくなると信じている人々
以前の「DIY」が自分の生活に必要なものを、自分で作るという意味合いの色が付いてしまっていたのに対して、ここでいう「DIY」にはもうちょっと「自分ごと」と思える範囲の「公共性」が入ってきています
そのため、眉間にしわを寄せた社会活動とは捉えず、素直に自分として「あったほうが楽しいから」「自分ができることだから」という気持ちで動いているのが、大きな特徴です。
このDIY精神が根付いている都市の代表がオレゴン州のポートランドだったということがあります。

※吹田良平さんの書かれたポートランドのDIY精神溢れる都市の成り立ちを書いた『GREEN Neighborhood-米国ポートランドにみる環境先進都市のつくりかたとつかいかた』。雑誌Spectator 21号『From Oregon with DIY特集』。雑誌PAYPER SKY38号『TRAIL オレゴンのランナーたちとトレイルを走る旅』。この3冊がお薦めです。





さて、本題の考察ですが・・・。このエントリー長くなりそうなので、次の記事に分けて書きます。なぜなら地域経済に与える影響の大きい大企業の存在についても、ちゃんと触れないと小規模でもバランスの取れた街づくりは説明できないと感じたからです。次のエントリーまで、もう少々お待ち下さい。

【ポートランドで考えた】その2:小さな都市でも、地政学的強みを活かした生態系が絶妙!



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2012/11/14

固定概念を捨てて、「再発明」されたものに心が動く。



ちょっと時間が経ってしまいましたが、写真はDESIGN TIDE 2012に出展されていた台湾のデザイナー周育潤さんのTable M01/02という作品です。見ての通り、リモワのスーツケースに装着することでテーブルとして使用できる板です。

If we can think about what should be the relationship between the product and the environment,maybe it is easier to make a neat space."Tabele M"is a table that has to work with the luggage.The luggage becomes a part ob your furniture, and keep serving you when not in traveling.
モノと環境の関係を捉え直せれば、もっと簡単に快適になれるのではないだろうか。Table Mはスーツケースと合体できる新しい家具である。スーツケースは旅でなくてはならないモノなのに、普段の生活ではあまり必要とされない。 Table Mを使うことにより、家具として再び必要とされ、生活を彩ることができる。
すごく刺さりました。ああ、これが欲しかったなんだぁと。

自分の生活や身の回りの物でも、固定概念を取っ払って「再発明」すれば満たされていないニーズはまだあると再認識させられました。

こういった鮮やかな補助線を引くアイデアは、商品企画の現場よりも、フラットな視点でモノと環境を捉えられる外野から生まれてきているように思います。この例では家具メーカーでも、スーツケースメーカーでもなく、台湾のデザイナーの純粋な疑問から生まれています。

最近、こういった鮮やかなプレゼンテーションと出会っていなかったので、なんだか勇気づけられました。僕ももっと固定概念から離れたフラットな視点を持てるように頑張らなくちゃ。目も頭も心も、綺麗にしておかなくちゃ。

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2012/11/07

最新技術よりも、現実社会で起きている「人間くさいコンセプト」が大事

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左が1984年のカメラで右が2012年のカメラ。1984年発売のCONTAX TはもちろんフィルムでズームもなくAFでもない。一方、2012年のSONY RX100はデジカメで28mm相当から100mm相当までズームができるレンズがついている。

コンセプトとしては、どちらも「ポケットに入るサイズで、CarlZeissのレンズで良い写真をハズレなく、自分のイメージしたように撮りたい」というニーズを満たしてくれるもの。CONTAX Tはポジフィルムを入れて雑誌の簡単な取材などの時に利用していました。

この二つ、驚くべきことに年の差が28年も!あるにもかかわらずコンセプトはほぼ一緒。逆に言えば28年もかかって、やっとこのコンセプトとアナログ時代の使い勝手を埋めるデジカメが出たとも言える。(僕というターゲットにおいてですが・・・)

家電製品、デジタルガジェッドなどは新しければ新しいほうが優れていると信じられている。もちろん、技術進化が激しい分野なので、性能という面では否定はできない。しかし、道具としての完成度という視点で見た場合には、まだアナログ時代の使い勝手を超えられていないものが多いのも事実

電子書籍も、「持ち歩けて、さっと開いて、すぐに読み始められる。ちょっとした空き時間ができたときに、積ん読状態だった本からのゆるやかな催促」という、紙の本のコンセプトに追いつくのに20年ぐらいかかるのかもしれない。

そりゃそうだ。紙の本だってここまでの形になるまでに数千年の時間がかかっているから・・・。

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Webサービスを設計している人、アプリを企画している人、デジタルガジェットを開発している人・・・すべてに言えるかもしれないが、やはり人間に受け入れられてきたベーシックなコンセプトからヒントを得たほうがいい。ぜったいに。

web上で起きていることよりも、現実社会で起きている人間くさいコンセプトのほうが正しい

人と人をマッチングさせるようなサービスやアプリを作っている人たちにとっては、街中で僕らが見知らぬ人と自然に知り合う機会が起こる場のメカニズムを分析することをお薦めする。お寿司屋さんやバーで、マスターや大将から自然と話を振ってもらってお互いの会話が始まるとき。一対一じゃなく、カウンターの向こうの共通の知り合いという三角形のコミュニケーションがあれば自然に話ができる

ユーザーの興味関心(インタレストグラフ)を収拾してビックデータ解析で・・・と考えている人たちは、日常の中にある不思議と自分の興味関心を話しているタイミングを研究してみたほうがいい。なぜ、美容院や床屋・ネイルサロンでは自分の興味関心や最近行った旅行などプライベートなことをいろいろ話せるのか?その一方で、自分の仕事のことや職場のこととかは話してなかったりして。

人間らしい生活を送っていたり、自分が現実社会で友達と遊んだり、飲みに行ったときに起こるコミュニケーションだったり、旅行に行ったときに経験することだったり、すべての遊びや生活が貴重なインプット情報になるわけです。こんなに素晴らしいことってないですよね!

だから僕は、頑張って人間らしい生活を送り、できるだけ遊ぶように必死に努力しているわけです。法人の経費に入れてもいいですよね・・・?え、ダメですか・・・。すいません。


2012/11/01

素を活かして、無理しない。でも想起される人でありたい。

錦鯉
自分を過剰に演出しない。自分に嘘をつかせない。自然に、素で振る舞っている人が、輝いて見えてくる。自然体で、でも自分に自信がある感じ。いいよねぇ。

twitterで以下のようにつぶやいたように、実際の人となりと、ネットなどのメディアを通して伝わってくるイメージとの差が大きい人がいる。


「一見凄そうでも実はたいしたことない人」は、「自分を過剰に演出している」人。「無理して自分の弱い部分を無理してよく見せようと虚勢をはっている」人を見る度に、ちょっと辛くなる。なんだか、かわいそうなんだよね。自己紹介を聞いているうちに、伝わってきて、できるだけ聞き流してしまう。(すいません!)


一方の「一見普通の人が実は凄い人」は、自分の優れている部分を外に伝えていないために、機会損失が起きている状態だと思う。もっとうまく伝えたらいいのに。。。もったいないなぁと感じて、手を貸したくなるし、この人を誰かに紹介しなくちゃ・・・と考えちゃう。

前者は、自分に嘘をついているから苦しくなってくるし、会った相手も虚像と実像とのギャップを感じてしまう。まるで粉飾決済でお化粧した財務諸表。それで株価を上げても心は楽しくない。後者はギャップはないものの、その分、得られたかもしれないチャンスを逃している。正直経営で技術もあり実直にやっているものの、ちゃんと広報活動ができていないために、新しい仕事が入ってこない状態。

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だからこそ、自分はできるだけ得意分野を素の状態で外に発信していきたいし、自分を無理してよく見せるようにはしたくない。(向いてないだけかもしれないけどw)

自分の得意分野以外のダメな部分もさらけ出しながら、その分得意なこともちゃんと記憶してもらえるようにしたい。前者がセルフブランディングだとしたら、後者は一見、「素のまま天然勝負」。でも、ちゃんと相手の記憶にしまわれる時には、適切なタグがついて保存される。

そんなことがちゃんとできているといいなぁ・・・。

関連エントリー:「自分のダメな部分を見せたほうが得な時代


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2012/10/23

未来に不安を感じる人ほど「教養」を学んだほうがいい。


自分の「視点」を鍛える、コミュニケーション能力を高めることは、実用的な自己投資だ。


同じ対象物を見ても、文脈の情報を持っている人と持っていない人では見えてくるものが違ってくる。それによって、戦いに勝つ者が現れたり、新しい商売を始める人がいた。話がうまい人が周囲を巻き込み多くの仲間を作ることができた。

だから、昔から人間は自分に投資するときに「教養」、リベラル・アーツを学んだ。「教養」は視点を鍛える・コミュニケーション能力を高めるための実用的な学問だったからではないだろうか。


同じ絵を鑑賞しても、見えてくる情報量が変わってくる。同じ音楽を聴いても、得られる情報量が変わってくる。同じ文学作品を読んでも、違う意味が読み取れる。「教養」によって得られる視点が「文脈」で、文脈を読み取れる能力がある人が、素晴らしい人格者と尊敬されてきた。

文脈を理解することで、自分の置かれている環境を正しく把握できる。全体の流れの中で自分がやること・やりたいことをどう訴求していけばいいのか、どう協力者を得ていけばいいかを掴むことができる。今で言えば、コミュニケーション能力と定義されるものが、「教養」を学ぶことで手に入れられる。



”今”必要とされているものを身につけたいのであれば、“今”稼げる技術や“今”重宝される技能を学ぶほうが手っ取り早い。しかし、昔から「教養」が尊重されてきたのは、時代が変わっても、流行が変わっても必要とされる普遍的な自己投資が必要だと考えていたからだろう。

だったら、特定の技能を鍛えたい明確な欲求を持っていない人で、未来に不安を感じている人こそつぶしのきく「教養」を学んだほうがいい


・・・・・・・・・・・・・
ちなみに、僕の場合は「天の邪鬼」であることを信条としているので、もしも「教養」が流行してきたら、みんなが見向きもしないものに鞍替えするだろうw

そのタイミングで「価値>注目度」となっているもったいないものを見つけて、「価値<注目度」となる前に身につけておきたいし・・・。

そうか!この「価値>注目度」を見つける視点を手に入れるために、結局相場観を得るために「教養」を身につけなくちゃいけないのかもなぁ。。。やっぱり「教養」は普遍的に必要かも。




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2012/10/11

職業は、自分で作っていいんだよ。

Photo
気が付かないうちに囚われている「フレーム(文脈といってもいいかも?)」を明示して、その上で顧客の文脈にあわせた解決策を出すのが僕の職業。

例えば、技術ありきで新規事業を始めるケースでは、技術オリエンテッドのフレームに陥っている場合が多い。でも、利用してくれる顧客のフレーム(文脈)にあわせて提示しないと認めてもらえない。下手すると、ただの自慢話に付き合わされているようなものだ。


相手の文脈にあわせて、話し、提案する。この部分を会社名ともしている「空気読み」と呼んでいる。自分の文脈で考えていても、解決策は見出せない。


当たり前のことだけど、ずっと自分たちの「フレーム(文脈)」に浸っていると、そのフレームが見えなくなる。そのおかげで僕のような外部の「空気読み」のニーズが発生する。僕がやっていることは、デザインしないデザイナーなのかもしれない。「空気読み」は勝手に僕が作った新しい職業だ。

文脈を理解して企画をつくる人、文脈を理解して事業をつくる人、文脈を理解して伝え方をつくる人。

クライアントの持っている伝えられていない・活用されていない「もったいない」部分を感じて、「だったらこうすればいいのに!」ということをつくっていてる。


Hate something,Change something!
気に入らないものがあったら、変えちゃえばいいんだよ!

そう。職業だって、なければ勝手に作ればいい。


僕が「空気読み」という職業を作ったように、自分が得意なことで、世の中にあったほうがいいと思ったら、それを仕事にしてもいいはず。


無理矢理、誰かが作った既存の職業から選ばなくちゃいけないわけじゃないんだよ。





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